うるま市議会(幸地政和議長)は7日の本会議で「選択的夫婦別姓制度の法制化を求める意見書」を賛成多数で可決した。政府および国会に対し制度の議論を進めるように促すもので県内初。意見書のきっかけとなったのは1人の市民が始めた請願活動だ。専門家は「政治の動きが鈍い中、地方から声をあげることは大きな力になる」と歓迎する。(中部報道部・宮城一彰)

眞鶴さやかさんが市議会議員向けに開いた勉強会=6月27日、うるま市議会(眞鶴さん提供)

 市内在住の会社員、眞鶴さやかさん(31)は交際相手との結婚を検討するようになり、夫婦別姓について考えるようになった。自分の姓に愛着があったが、相手が姓を変えることは相手の家族から難色を示され、どちらかが姓を変えなくてはいけないことに違和感を覚えた。

女性に負担かける同姓制度

 民法750条には結婚に際して「夫または妻の氏を称する」と規定されているが、実際には約96%が夫の姓にしており、改姓に伴う変更手続きの負担は大半が女性にかかる。研究者や医師の場合は姓が変わることで過去の学術論文が実績として引き継げないこともある。

 法務省は1996年と2010年、法制審議会の答申を受け選択的夫婦別姓導入の改正法案を準備したが、いずれも保守派議員の反対などが根強く国会提出はされていない。しかし内閣府の17年の世論調査では選択的夫婦別姓、または婚姻前の姓の通称使用の法制化には66・9%が賛成している。

 眞鶴さんはいろいろ調べるなかで全国の地方議会で陳情活動をする団体「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」を知り、活動に参加することにした。

考えたこともない夫婦別姓

 陳情アクションの協力を得た眞鶴さんは5~6月にかけて議会の全会派を回って勉強会を開いた。多くの議員は「別姓について考えたこともなかった」としたが、中には「これからは一人っ子同士の結婚も多くなる。時代の流れに合わせたほうがいい」「郷土の伝統的な姓を大切にするのは素晴らしいことだ」と理解を示す議員もいた。

 ただ中には「門中制度を大事にする人もいるので抵抗感は強い」という意見もあった。意見書案に賛成しなかった名嘉眞宜德議員(希望の会)は「ただでさえ親族間のつながりが希薄な現代に別姓にすると、さらにつながりが希薄になる」と危惧する。改姓による不自由の解消は、結婚とは別の新しいパートナーシップ制度の導入で対応できるとする。

 一方、沖縄弁護士会「両性の平等に関する委員会」の村上尚子弁護士は「別姓という選択肢が増えることは誰にも不利益はないはず」とし、「政治の動きが鈍いなか、地方の市民が行動を起こして国会に声を届けることには意味がある」と話す。

 眞鶴さんは「初めて請願活動に取り組んだ私にもここまでできた。今の社会に意見がある人は自信を持って行動を起こしてほしい」と呼び掛けた。