日韓関係悪化に伴う訪日韓国客の減少で、訪沖韓国客の受け入れを専門に扱う沖縄県内の旅行社が事業縮小に追い込まれている。中には、8月以降の受け入れ実績が前年を9割以上下回る企業もあり、臨時休業や社員を一時帰国させるなどの措置を取っている。冬場にかけて、韓国客の沖縄への旅行シーズンを迎えるだけに、業界からは誘客の支援策や、運休・減便をしている航空路線の復活など早急な対応を県に求める声が高まっている。(政経部・仲本大地)

韓国からの旅行客の減少で、誘客などの対策や宿泊施設などへの対応に追われる県内の韓国旅行社=30日、那覇市

訪沖韓国客数の推移

韓国からの旅行客の減少で、誘客などの対策や宿泊施設などへの対応に追われる県内の韓国旅行社=30日、那覇市 訪沖韓国客数の推移

 9月に訪沖した韓国客は前年同月と比べ約8割減少し、1万人を割り込んだ。

 県内には10社ほどの韓国旅行社がある。大手のハナツナー(那覇市)の担当者によると、日韓関係悪化が表面化した8月以降の沖縄への送客が激減。団体旅行は前年同期比で95%減少しているという。

 団体旅行を扱う別の旅行社も9割以上の減少となり、冬季の予約状況もほとんど空白だという。代表者は「業績が悪化し、現時点での韓国内の需要も見込めないため、やむを得ず社員を一時帰国させた。状況が長期化すれば、社員の離職につながりかねない」と頭を抱える。

 韓国の冬場は気温が0度を下回る日が多く、温暖な沖縄は避寒地として人気がある。そのため、沖縄の観光閑散期と言われる冬場の旅行需要を下支えしている。中でもゴルフを目的に訪沖する韓国客が多く、通常の旅行客よりも消費額は割高だ。

 県内で韓国客のグループ旅行を専門に取り扱う旅行社M&S(那覇市)は、例年12~3月にかけて約3千人を受け入れおり、売り上げの多くを占める。代表のパク・チョルジュCEOによると、ゴルフ客の旅行中の消費額は1人当たり平均で約12万円と通常よりも4~5万円高いという。

 ただ、今冬のツアー予約は低調で前年と比べ8割減。特に1、2月の予約状況は現時点で10%以下だ。

 パクCEOは「冬場の旅行客は年間売り上げの多くを占めるだけに頭が痛い状況だ」と話す。ただ「政治と経済は別」として、「県の支援が欲しいのは本音だが、民間レベルでも日韓友好をPRするイベントを開き、会員制交流サイト(SNS)やメディアを通して沖縄への誘客につなげなくては」と気を吐いた。

 別の会社では、団体から個人向け旅行商品の開発に切り替える対策を取る。

 一方、別の関係者は「状況が長引けば、旅行社が沖縄から撤退する可能性もある。航空路線の復活や誘客対策など早急に対応してほしい」と要望した。

(写図説明)訪沖韓国客数の推移