沖縄県出身の歌手、桑江知子がデビュー40周年を迎えた。7月に記念の新アルバム「Stopmotion」(クワーズ)を発表。ポップスからボサノバ、沖縄音階を取り入れた楽曲などを歌い、音楽活動の幅を広げている。「沖縄に来る機会を増やして、生の声を聴いていただきたい」と故郷への思いは強い。(学芸部・天久仁)

アルバム「Stopmotion」

「自分の中に吹くいろいろな風を素直に受け止めて、歌っていきたい」と話す桑江知子=那覇市・沖縄タイムス社

アルバム「Stopmotion」 「自分の中に吹くいろいろな風を素直に受け止めて、歌っていきたい」と話す桑江知子=那覇市・沖縄タイムス社

 1979年にデビュー曲「私のハートはストップモーション」が全国でヒットした。多忙を極めた当時は「沖縄を意識したことはなかった」という。歌手になる夢をかなえたが「『レールに乗って作られた私』という感じ。自分の足で歩いている気がしなかった」と振り返る。

 その後も自身が目標にしていた「ポップス」にこだわりながら、コーラスグループの一員として活動するなど多くのジャンルに取り組んだ。

 ソロに戻り、活動を模索する中でふるさと、沖縄の音楽に接するようになった。民謡に興味を持って三線教室に通い、レパートリーに沖縄風の曲を取り入れた。

 「うんじゅぬ島」(作詞作曲・宮沢和史)もその中の一つだ。元々は我如古より子に向けて書かれた曲だが「ぜひライブで歌わせてもらえないか」と頼み込んだ。

 小学校入学を前に、生まれ育った沖縄市から家族で福岡県に居を移したが「通っていた幼稚園に続く坂道やサトウキビ畑の風景。当時の記憶が強く残っている」と話す。

 「沖縄を離れていても、三線の音を聴くと血が騒ぐ。『何くるないさ』のような、ゆるやかな体質が流れているのかな」。自分の中の沖縄を感じることがあるという。

 新アルバムは12曲全てを新たに録音した。我如古がしまくとぅばの訳を担当した「うんじゅぬ島~うちなーぐち~」をはじめ、宮沢が書き下ろした大人のラブソング「恋だから」、デュオで定期的にアコースティックライブを展開する笹子重治との共作などを幅広く収めた。「私のハートはストップモーション」は新たなバーションで収録されている。

 「歌っているうちに、自分の中にいろいろな風が吹いてくる。素直に受け止めて歌っていきたい」と話す桑江。沖縄でのライブは未定だが「新アルバムの曲をたくさんの人に聴いてもらい、ライブを開くことができればうれしい」と期待を寄せた。

 アルバムは2750円。