大弦小弦

[大弦小弦]首里城火災 資料の重み実感

2019年11月3日 08:30

 4月に訪れた時とは一変していた。週末の首里城公園。守礼の門をくぐり城壁へと近づく。が、たどり着いた歓会門はむなしく閉じられていた。龍譚からは、県民や観光客らが、黒く燃え残った北殿の無残な姿を見つめ、悲しげな表情を浮かべていた

▼主要な建物が焼けた首里城火災の被害の実像が少しづつ判明してきた。指定管理者の沖縄美ら島財団が所蔵する琉球王国時代の美術工芸品など421点を焼失。一方、耐火性の収蔵庫二つにあった県指定文化財などの1075点は消火作業に伴う水ぬれ程度で、全焼は免れたという

▼焼失した資料には「雪中花鳥図」など東京尚家資料が含まれる。県立博物館・美術館の田名真之館長は「全容が公開されていなかった資料。残念だ。尚家由来ということがはっきりしており貴重だった」と指摘する

▼首里城で4月に見た孫億の「花鳥図」の展示では、王の執務室にも複製品を掲げ、往時をイメージさせる工夫があった。場の力と共に資料や美術工芸品の重みも改めて実感した

▼田名館長は再建に向け、資料を守るために、木造でない資料を展示する施設を別に造ることを提案したいと話す

▼沖縄戦を含め何度か焼失し再建されてきた沖縄の歴史を体現している建物。喪失感は大きいが、再建に向けた動きがすでに始まっている。その思いを共有したい。(内間健)

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