米海兵隊が公表していなかった2016年4月の嘉手納基地沖上空での空中給油訓練の事故は、同年12月に名護市安部で起きたオスプレイの墜落事故の原因と同様の内容だった。米軍は嘉手納沖の事故を調査していれば18年12月の高知県沖の米軍機墜落事故を防げた可能性があるとしており、指摘はオスプレイの事故にも当てはまる。沖縄で多発する米軍機事故は米軍の組織内の問題だけでなく、米側に具体的な再発防止の実行を迫れない日本政府の姿勢にも原因がある。

(資料写真)名護市安部の海岸に墜落し大破したオスプレイ

 公表されていなかった16年の嘉手納沖の事故は海兵隊が「人為的ミス」として重大視していなかった。事故の8カ月後の名護市のオスプレイ墜落も、原因は「困難な気象条件下で空中給油訓練をした際のオスプレイのパイロットのミス」で、嘉手納沖での事故の教訓が生かされたとは言えない。

 米軍機の事故が発生する度に日本政府は「再発防止」を申し入れ、米軍は防止の徹底を口にする。16年に県内で発生した2件の事故は米軍の隠蔽(いんぺい)体質に加え、再発防止が有名無実化する状況を浮き彫りにしている。

 米軍が事故を公にする場合でも、日米間の通報体制が適正に機能していると言えない。

 今年8月に米軍普天間飛行場所属のCH53E大型輸送ヘリが窓を落下させた事故は、日本政府に通報があったのが事故翌日、県など沖縄側に連絡があったのはさらにその翌日と通報が大きく遅れた。

 直近では、10月に発生した米空軍353特殊作戦群所属のMC130J特殊作戦機の部品落下事故で、米軍が日本側に正式な説明をしたのは事故から1週間後だった。

 県内ではこのところ、部品落下に加えて地元の合意を得ていない嘉手納基地でのパラシュート降下訓練、米兵による相次ぐ事件など多くの問題が発生。謝花喜一郎副知事は「最近の米軍の行動は、異常と言わざるを得ない」と強い口調で不快感を示している。

 嘉手納での降下訓練は河野太郎防衛相が中止を申し入れても米軍が聞き入れなかった。米軍関係の事故や問題が多発する背景には、米軍の組織内の怠慢や緩みに加え、日本政府が米側との信頼関係を築けていない現状がある。(政経部・銘苅一哲)