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「まずは検証が必要だ」首里城再建、慎重さ求める声も

2019年11月4日 11:08

 首里城火災を受け、再建を求める声が県内外で出ている。政府、与党は全面支援の姿勢を示しており、公明党幹部からは従来の沖縄関係予算を圧迫しない「別枠」で予算措置すべきとの意見も上がった。一方、原因などが解明されていない中での再建論議に慎重さを求める声も出ている。(政経部・大野亨恭、東京報道部・大城大輔)

衛藤晟一沖縄担当相(右)に首里城再建へ協力を求める玉城デニー知事=1日午前、内閣府

◆沖縄関係予算と別枠?

 「これまでの(沖縄関係予算の)枠組みの外で考える。別の沖縄の予算が圧迫されないようにやっていくべきだし、実際にそうなると思う」

 2日、焼け落ちた首里城正殿などを視察した公明党の斉藤鉄夫幹事長は記者団に明快に語った。政府関係者も「従来の一括計上で、首里城の分だけで膨らみを持たせることも考えられる」と話す。

 政府、与党は異例のスピード対応を見せている。自民党と公明党は火災当日の10月31日、相次いで赤羽一嘉国交相に早期再建を要請。1日には安倍晋三首相と菅義偉官房長官がそろって再建費を国が負担する意向を表明した。

 自民党関係者は「沖縄のシンボルである首里城再建は、基地問題とは全く次元の違う話。全力で支援する」と述べ、県と対立する基地問題とは切り離す姿勢を示す。県政与党内からも「こればかりは与野党関係なく同じ方向を向いている」と政府の姿勢を歓迎する声が上がる。

◆人命より再建が優先か

 ただ、自民党の別の関係者は斉藤氏が強調した予算の「別枠」案は「財務省とこれから検討する段階だ」と冷静に見る。菅氏が全面支援に言及していることから、一定の予算措置は実現するだろうとしながらも「台風や水害で災害復旧に多額の予算が必要な地域がある。今後、自民党の中からは『人命より再建が優先か』など疑問の声は出てくるだろう」と指摘する。

 公明党は週明けにも首相官邸に再建支援を要請する予定で、政府がどのような支援策を打ち出すのか、注目が集まる。

 こうした動きと並行し、県内でも政府への支援要求の動きが出ている。

 玉城デニー知事は1日、沖縄が本土復帰50周年を迎える2022年までに、再建計画を策定する考えを菅氏へ示し支援を求めた。

◆防災に不備なかったのか

 県議会は5日に土木環境など3常任委員会を開き、政府に再建への支援を求める意見書を近く本会議へ提案する方向で最終調整に入っている。

 ただ、こうした政府に全面支援を求める動きへの懸念の声もある。ベテラン与党県議は「既に県は再建の話をしているが、防災に不備はなかったのか、危機管理は適切だったのか、まずは検証が必要だ」と指摘。「今は国も世論の声を受けて支援表明しているが、県の管理体制の責任を追及するだろう」と警戒する。

 また、与党関係者は、最終的には政府の支援は必要だとしながら「まずは沖縄が自ら再建する意気込みを示すべきだ。政府予算で豪華絢爛(けんらん)な建物ができても、ウチナーンチュ(沖縄の人)が自分たちのシンボルだと思えなければ再建の意義は薄れる」と慎重な再建論議を望んだ。

補正予算で対応 知事は歓迎

 玉城デニー知事は3日、火災で正殿などが焼失した首里城再建の必要経費について、2019年度補正予算案に盛り込むべきだとの意見が与党内から出ていることを歓迎した。那覇市内で記者団に明らかにした。

 公明党の斉藤鉄夫幹事長は、沖縄振興などに影響が出ないよう、19年度補正予算で対応するべきだとの認識を表明している。玉城氏は「決定してもらえるなら、この上ないことだ。そういう明確な方針が出れば、県民も安心するだろう」と述べた。

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