沖縄県那覇市の首里城火災で、全焼した正殿床下にある世界遺産の遺構にがれきが入り込み、石垣など遺構の一部が損壊した可能性があることが5日、分かった。同日の沖縄県議会文教厚生委員会(狩俣信子委員長)で県教育委員会が明らかにした。がれきを除去した後に被害の詳細を調査するとしている。
県教委によると、国指定名勝「首里城書院・鎖之間庭園」も被害を受けた可能性がある。被害の詳細については調査中。
一方、耐火収蔵庫に保管されていた県指定有形文化財「白澤之図(はくたくのず)」と「黒漆菊花鳥虫七宝繋沈金食籠(くろうるしきくかちょうちゅうしっぽうつなぎちんきんじきろう)」」「黒漆牡丹(ぼたん)七宝繋沈金食籠」は焼失を免れた。
県文化財課によると県指定有形文化財3点のうち、「白澤之図」は南殿の収蔵庫に保管され、熱や消火時の水による影響はほとんどみられないという。
残り2点が保管された寄満(ゆいんち)の収蔵庫では熱や水の影響が考えられ、損傷の有無や程度を調べるとしている。