大弦小弦

[大弦小弦]首里城火災に当てはまるパリの教訓

2019年11月6日 07:30

 「過去にも火災が起きたため、消防士へ注意喚起していた。まさか本当に起こるとは」。4月の仏ノートルダム寺院火災で、パリ市消防局大隊長の談話だ。こう続く。「あらゆる可燃物に猛スピードで延焼した」「輻射熱(ふくしゃねつ)が激しく、火災防御は極めて困難」。首里城火災に当てはまる教訓が相次ぐ

▼仏沖で相次いだ文化遺産の焼失は「まさか」への備えを突きつけている。県が国から管理権を移譲されたのは、寺院火災の2カ月前。惨事をわが事と捉えていただろうか

▼東日本大震災、80人以上が亡くなった台風19号。災害対策は「想定外」への対応が求められる。出火原因は不明だが、管理者の県と沖縄美ら島財団には、焼失の結果責任が伴う

▼再建に向けた那覇市の寄付受付サイトは、4日間で3億円以上が寄せられた。首里城はこんなにも愛され、応援されている。国は異例のスピードで、再建の財政支援を表明した

▼「台風被害者の支援より首里城が優先か」との批判も起きている。国民の税金と善意を受け入れるなら、管理者の県側は出火原因の徹底究明と、再発防止策の説明が必要だ。足元をしっかり固めなければ、前に進めない

▼米26代大統領ルーズベルトは、こう言った。「失敗しないのは、何もしない人間だけだ」。焼失から次の教訓を得られれば、悲劇を繰り返さない。(吉田央)

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