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米国、地球温暖化対策「パリ協定」離脱を通告 2020年11月4日確定 米大統領線の争点に

2019年11月6日 15:00

 【ワシントン共同】トランプ米政権は4日、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から離脱すると国連に正式に通告した。トランプ大統領が2017年6月に離脱の方針を表明しており、規定に基づき通告が可能になった最初の日に手続きをした。実際の離脱は1年後の20年11月4日になる。ほぼ同じ時期にある大統領選の大きな争点になるとみられる。

パリ協定と離脱を巡る流れ

 米国は中国に次ぐ世界2位の温室効果ガス排出大国。温暖化と関連するとみられる異常気象が世界各地を襲い、対策強化の必要性が叫ばれる中、パリ協定が本格始動する20年を目前にした離脱強行は改めて国際的な非難を呼びそうだ。米国内でも共和、民主両党の対立深刻化で、腰を据えた温暖化対策が難しくなり、迷走することも予想される。

 トランプ氏は南部ケンタッキー州で開いた選挙集会の演説で、パリ協定は「(米国にとって)恐ろしくコストが高くつき、不公平だ」と批判し、二酸化炭素を多く排出する石炭の活用を今後も推進する考えを強調した。

 これに対し民主党は、オバマ前大統領がパリ協定の取りまとめに奔走した経緯もあり協定を支持する立場だ。離脱通告を受け「人類を侮辱し国にとって障害となる決定だ」との声明を発表した。来年11月3日の大統領選で民主党の指名を争う候補者はいずれも協定復帰を掲げ、政権を奪還すれば協定に戻る可能性が高い。再加入は国連に文書を送り、30日後に認められる。

 小泉進次郎環境相は5日の閣議後の記者会見で「脱炭素社会の実現は喫緊の課題で、離脱の通告は極めて残念だ。トランプ大統領に翻意を促しても不可能だと思う」と述べた。菅義偉官房長官も「残念だ」と述べ、気候変動問題に対処するため、米国と協力する方法を探る考えを示した。

[ことば]パリ協定 地球温暖化の深刻な被害を避けるための国際協定。今世紀後半に世界の温室効果ガス排出を実質ゼロにして、産業革命前からの気温上昇を2度未満、できれば1・5度に抑えることを目指す。全ての参加国が自主的な目標を掲げて対策に取り組み、5年ごとに状況を検証し、目標の引き上げを図る仕組みがある。京都議定書に代わり2020年に本格始動する。15年12月に採択された。

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