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世界遺産登録への影響 専門家「影響ない」 首里城遺構の損傷はごく一部

2019年11月6日 10:00

 首里城火災で、世界遺産に登録されている正殿床下の遺構にがれきが入り込んでいたことが分かった。文化財などに詳しい専門家らはダメージの程度を懸念しつつ、一部の影響にとどまったことに一様に安堵(あんど)していた。

首里城火災で全焼する前まで公開され、世界遺産の遺構を直に見ることができた正殿1階の一部床下(首里城公園公式ホームページから)

 がれきが入り込んだ遺構は、正殿床のガラス越しに見ることができた約7×5メートルの範囲。上原靜沖縄国際大教授によると遺構の全体は首里城が建つ約4ヘクタールの丘の地中に広がっており、損害を受けていたとしても全体のごく一部にとどまる。

 世界遺産登録への影響について上原教授は「仮に損傷していたとしてもごく一部で影響はない」とみる。

 損傷しているなら「どのような形で損傷しているのか詳しく調査・記録した上で、ダメージの程度によっては崩落することがないよう土で埋め戻し保護する必要がある」とし、正殿の再建に当たっては「遺構の存在をどのような形で『見せる』か議論が必要になる」と指摘。遺構のレプリカ、写真やパネルで展示するのも選択肢の一つになるのではないかと話した。

 県指定有形文化財の3点が焼失を免れたことに、県立芸術大学の小林純子教授は「最悪の事態は免れた」とホッとした様子。「水にぬれている可能性はあるが、焼けてしまうよりはましだ。現代の修復技術で手当ては可能」と説明した。

 ただ多くの文物が焼失したことに「貴重なものを危険にさらしたことには変わりない。木造の建物を復元することと、美術工芸品の保存は別に考えなければならなかった」と指摘。首里城再建に当たっては、収蔵施設を別の敷地に分けることも含めた検討の必要性を提言した。

 浦添市美術館の宮里正子館長も「胸をなで下ろしている」と一言。一方でダメージの程度が気になるとし、「物が残っていれば、技術や情報は次に伝えられる。責任の重さをあらためて感じる」と自戒を込めた。

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