ジブリの「火垂るの墓」のあまりの救いの無さに震えたまま、この作品を2度と目にしていない。でも、いまだ世界中で清太と節子の兄妹が火の粉の下を逃げ惑っているのも確か。

プライベート・ウォー・スクリーンガイド

 戦場記者メリー・コルヴィンを通して描かれる容赦のない戦場シーンは“これが現実だ目をそらすな”と激しく訴える。PTSDを患いながらも戦場は彼女の脳裏から離れず、戦場も彼女を離さない。「伝える」事に命を懸けたジャーナリストは女性なるがゆえに、戦場で一番に犠牲となってゆく女、子どもの悲鳴を聞かなかった事にはできなかった。

 歳を重ねて、残された時間をできるだけ美しいものや楽しいもので満たそうと欲張っている。でも「目を背けてはいけないもの」にもしっかり時間を割いていこう。関心を失った先に待ち受けているのは絶望だから。(スターシアターズ・榮慶子)

◇シネマパレットで上映中