自由恋愛時代。全てが自己責任の日々に、「自由」という言葉が重くのしかかる。恋愛も結婚も、するしないは自由。したいと願ってもできないのも自由。全部自由…。「自由」ってなんなんだ!それは「自由」が無かった時代をのぞけば分かる。

第三夫人と髪飾り・スクリーンガイド

 物語の舞台は19世紀のベトナム。主人公は14歳で、第三夫人になった少女メイ。豊富な水源に囲まれた村で、つつましく、与えられた運命を静かに受け入れ、男子の誕生を願う日々。第一夫人も第二夫人も優しく、助け合って暮らしている。でも日常はひそかに、確実に狂っていく。

 互いの顔も知らぬまま新婚初夜を迎え、すべきことを済ませればいい。妻は旦那一人を愛せばいい。世の中、そんな不自由を耐え抜ける人ばかりじゃない。

 穏やかでみずみずしいベトナムの風景の中、静かに怒る女性たちが美しい。(桜坂劇場・下地久美子)

◇桜坂劇場で11月9日から上映