予兆があったと聞いてたまげた。沖縄市の沖縄こどもの国で飼育していた国指定天然記念物で絶滅危惧種のリュウキュウヤマガメとセマルハコガメ計64匹が屋外展示場から姿を消した。おりに侵入した形跡があり、盗まれたとみられる

▼色や甲羅の形が特徴的な2種は、インターネット上で高額で違法取引される人気のカメで、販売目的と推測できる

▼動物園から持ち去る大胆な所業に驚いていたが、7日にあった園の会見で経緯を確認すると、ずさんな管理や連絡体制のすきを狙われたおそれが否めない。昨年9月にも2種計13匹がいなくなっていたが、警察に届け出ず、公表もしていなかった

▼その後、よじ登れば侵入できたおり全体にネットを張ったことで「安心しきっていた」という。近くに防犯カメラを設置するなどの対策もしなかった

▼今回も発覚から警察や県、環境省への報告に3日かかった。早ければ空港など水際でのチェック態勢を強化できたはず。貴重な天然記念物を飼育している認識の欠如といえよう

▼無論、真っ先に非難されるべきは窃盗犯だが、対応次第では防げた事案。園にはほかにも貴重な動物がいる。職員への教育と再発防止策の徹底が求められる。県内には希少動物の保護施設がほかにもある。他山の石として管理・通報体制を見直す機会にしたい。(石川亮太)