入社当時、記事を書く際はワープロを使用した。周りにはまだ手書きの先輩もいて、社内には原稿入力専門の部署もあった。今はパソコンを使用しているが、操作に戸惑うことも多い。そんな私も目を疑った

▼スーパーコンピューター(スパコン)が1万年かかる計算を、従来と全く異なる仕組みで開発した「量子コンピューター」が3分20秒で解いたという。米グーグルの研究チームが発表した

▼量子コンピューターがスパコンを上回る能力があることを証明するものだ。処理時間のけたが違いすぎる

▼物質を構成している量子は、1メートルの10億分の1以下の大きさ。その量子の世界の法則を生かして、同時に大量の計算をこなしていく。新薬や新素材の開発、大量のデータを学習して人工知能(AI)の能力の向上につなげることが期待されている

▼まだ計算に誤りがあるなどの課題もあり、実用的な完成は20年後ともいわれる。それでも、ライト兄弟の飛行にも例えられた歴史的な出来事で、発表後、暗号の解析力を警戒されて仮想通貨「ビットコイン」の急落を招いたことには、二度驚かされた

▼ミクロの世界の特性を生かした技術が、新時代の幕開けを告げ、暮らしを変えるのだろうか。アナログ世代ゆえの期待と不安を抱えつつ、注目していきたい。(内間健)