社説

社説[安倍首相の答弁]反省しているか疑問だ

2019年11月10日 08:30

 菅原一秀前経済産業相、河井克行前法相が相次いで辞任したことを受け国会は6、8の両日、衆参予算委員会でそれぞれ集中審議を開いた。

 安倍晋三首相は「国民に大変申し訳なく、任命した者として責任を痛感している」と陳謝した。その上で「国政に遅滞を生じることのないよう、行政を前に進めていくことに全力を尽くすことで、国民への責任を果たしていく」と繰り返した。

 閣僚辞任のたびに聞かされてきた言葉だ。どう任命責任をとるかについて言及がない。口先だけの陳謝で、説得力がないのである。

 「行政を前に進めていくこと」と、任命責任は関係がない。どう責任をとるのか正面から答弁することを避けており、不誠実だ。

 安倍首相が任命責任を感じているのなら、少なくとも菅原、河井両氏に自ら事実関係をただし、国会で説明責任を果たすよう指示すべきである。だが、そんなことをしたような形跡はない。

 それどころか「政治活動については一人一人の政治家が自ら襟を正し、説明責任を果たすべきだ。今後とも自ら説明責任を果たしていくと考えている」と人ごとのような口ぶりである。

 国の予算で行われる首相主催の「桜を見る会」は参加者や予算が年々増えている。野党議員が8日、「首相も地元後援会を多数招待しているのではないか」と地元県議のブログなどを示しただした。安倍首相は「個々の招待者については従来、回答を差し控えている」と説明しなかった。

 閣僚辞任問題に限らず、安倍首相の答弁は説明責任からは程遠いのである。

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 一方、菅原、河井両氏にかけられているのは公職選挙法違反疑惑である。国会議員の資格に関わる重大な事案である。両氏とも国会で説明すると言っていたにもかかわらず、その当日になって辞任している。責任をとって辞任するというよりも、説明責任から逃れるために辞任しているのではないかとみられても仕方がない。その証しに両氏は今もって約束していた説明責任を果たさないままである。結局、菅原、河井両氏ともうわべでは説明責任といいながら、自らの言葉に従っていないのである。

 第2次安倍内閣以降、閣僚辞任は10人に及ぶ。陳謝と任命責任を口にして終わり、とする安倍首相の姿勢と、長期政権のおごりが閣僚辞任が止まらない要因ではないのか。

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 安倍首相は両日とも閣僚席から質問をした野党議員を指さしながらやじを飛ばした。

 安倍首相のやじはこれまでもたびたび起きているが、2閣僚の辞任を受けた集中審議であることを考えれば、事態を本当に反省しているのか、大いに疑問である。

 6日は学校法人「加計学園」を巡り萩生田光一文部科学相の関与をうかがわせる文書を示した野党議員に対し「あなたが作ったんじゃないの」とやじった。8日にも別の野党議員に「共産党」と言い放った。国会軽視も甚だしく、首相と思えぬひどい振る舞いだ。猛省を求めたい。

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