八重山の天然素材を原料に化粧品作りに取り組む製造販売会社がある。沖縄県石垣市石垣の「サンシャトゥー」で、月桃やパッションフルーツなどを活用した製品をそろえる。原料の生産・調達は自社ではせず、農家から買い取る方式。その分の利益は低くなるが、社長の今村祥(あきら)さん(66)は「農家と一緒になってもうかることで事業が長く続いていく。地域活性化にもなる」と意義を語る。今月中旬には国産では初のテリハボクの美容オイルを売り出す。(八重山支局・粟国祥輔)

初の国産品として今月中旬に発売するテリハボク種子オイル(左)と種子

竹富町黒島のテリハボクから作った美容オイルをPRするサンシャトゥーの今村祥社長=6日、石垣市石垣の同社

初の国産品として今月中旬に発売するテリハボク種子オイル(左)と種子 竹富町黒島のテリハボクから作った美容オイルをPRするサンシャトゥーの今村祥社長=6日、石垣市石垣の同社

 今村さんは奈良県出身。国内の大手化粧品メーカーを経て、大阪で植物由来のオイルを使い健康増進や美容の施術をするアロマセラピーを研究する会社を経営していたが、石垣島を訪れた際に「ハーブの宝庫」に魅了され、2002年に同社を起業した。

 心掛けたのは化粧品作りを通して地域社会に貢献すること。「売り上げを競うメーカーにいた。あの世界には戻りたくなかった」。月桃の原料集めでは、サンゴ保全の観点から農家の畑の周りに赤土流出防止を兼ねて植栽してもらい、自然保護にも配慮した。

 一方、テリハボクのオイルは構想から製造までに約5年かかった。テリハボクは防風林として知られ、春と秋に原料の元となる大量の種子を落とす。だが樹木の大半は国や県、石垣市の所有のため、許可なく収集できないのがネックだった。

 苦慮していたところ、竹富町黒島の牧場主から敷地に2千本が自生しているとの連絡があり、道が開けた。農家側が種子集めから殻割り、中身の乾燥までを担当し、同社がこれを買い取って搾油している。

 今村さんは「単独で事業化すれば利益は上がると思うが、そこは目指さない。農家や(作業依頼を受けた)住民と協力することで、共に島の活性化への思いを共有したい」と話す。

 テリハボクのオイルは、タヒチやハワイで伝統薬として使われ、日本では美容目的で輸入品が流通している。オレイン酸などの保湿成分に優れ、今村さんは「八重山の天然素材でできた肌に優しいオーガニック成分です」とPRする。

 価格は30ミリリットル、3千円(税別)。同社専用サイトや電話で購入できる。問い合わせは同社、電話0980(84)1095。

(写図説明)初の国産品として今月中旬に発売するテリハボク種子オイル(左)と種子

(写図説明)竹富町黒島のテリハボクから作った美容オイルをPRするサンシャトゥーの今村祥社長=6日、石垣市石垣の同社