大弦小弦

[大弦小弦] 表現の自由「リミテッド」

2019年11月11日 07:32

安倍晋三首相風の人物が国際会議で「全世界同時鎖国」を提案する。弱肉強食のグローバリズムを拒否し、各国が殻に閉じこもって平和を実現しよう-

▼美術家、会田誠さんの動画作品がオーストリア・ウィーンの芸術展に出展された。アジア侵略を謝罪する部分が切り取られ、日本で「反日プロパガンダ」と攻撃された

▼自民党国会議員の介入もあり、現地の日本大使館は国交150年記念事業の公認を取り消した。芸術展タイトルの「ジャパン・アンリミテッド」とは正反対。表現の自由がリミット(制約)され、身内の論理に閉じこもる精神的鎖国状態の日本を発信してしまった

▼自称愛国者たちの間で、行政を攻撃して政権に不都合な表現活動への支援をやめさせることが目的化している。あいちトリエンナーレが成功体験となった

▼「公金を使うな、自分の金でやれ」が決まり文句。そこから例えば「政権に逆らう者に生活保護は出さない」という地点まで、距離はあまりない。表現の自由の拡充も困窮者を支えることも、意見や境遇が違うみんなでつくる「公」の大切な仕事。政権は「お上」ではなく、公金は施しではない

▼会田さんは一連の攻撃を「自分が乗っている船の底に穴を開けて喜んでいる」と批判する。穴を修復できるのも、同じ「日本丸」の乗組員しかいない。(阿部岳

ルポ 沖縄 国家の暴力 現場記者が見た「高江165日」の真実
阿部 岳
朝日新聞出版 (2017-08-21)
売り上げランキング: 5,370
前の記事へ 次の記事へ
沖縄関連、今話題です(外部サイト)
JavaScriptをOnにしてください
きょうのお天気
アクセスランキング