バス業界の運転手不足が年々深刻になり、路線バスの走行距離が減少していることが数字で裏付けられた。

 県内で路線バスを運行する主要4社の路線バスの実車走行キロ数が2013年度から18年度までの6年間で、13・7%(約482万7千キロ)減少したことがわかった。減便などのためとみられる。

 4社に所属する運転手も10・5%(105人)減少している。背景に運転手の高齢化と若年者のなり手不足が同時に進んでいることがある。

 路線バスを運転するには大型2種免許を取得しなければならない。県内で同免許保持者のうち、60歳以上は13年から18年にかけて28%増加した。逆に39歳以下の免許保持者は28・4%減少している。運転手不足→減便→利用者減→厳しい経営-の悪循環に陥っているのである。

 若年者のなり手が先細りする状態が続けば、公共交通機関として立ち行かない深刻な事態を招きかねない。

 若年者が集まらない理由に賃金の低さがある。

 18年の県の賃金構造基本統計調査によると、県内の主要路線バス会社の「所定内給与額」は、全産業計が24万6500円だったのに対し、22万600円にとどまる。「年間賞与その他特別給与額」も産業計の58万2600円に対し45万600円と開きがある。

 労働環境も厳しい。県内には片道3時間以上の長距離路線があることや都市部では全国的にもワーストの部類に入る交通渋滞がある。

 運転手の肉体的、精神的負担も大きい。

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 バス会社も手をこまねいているわけではない。

 長距離路線を分割するなど運行ダイヤを見直す会社もある。女性ドライバーの積極的登用や県外バス会社と繁忙期に合わせて運転手を交互に派遣することを模索しているが、限界がある。

 減便や最終便の繰り上げのあおりを受けたのが高校の定時制や夜間部の一部生徒たちで、一時、授業を早退しなければならない事態となった。

 現在は学校の時間割を組み替えたり、保護者が迎えたりして対応し、早退する生徒はいないという。

 減便で不便をかこつのは学校だけではない。

 交通空白地域の解消や高齢者の外出促進のためコミュニティーバスを運行している自治体もある。

 行政はさまざまな交通手段を組み合わせて地域の足を構築してもらいたい。

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 モノレールが浦添まで延長されたとはいえ、路線バスは沖縄本島をカバーする唯一の公共交通機関である。高齢者の運転免許証返納が増え、高齢者が外出するための手段としても不可欠だ。

 公的支援も欠かせず、県は9月定例会に路線バス運転手確保に1116万5千円の補正予算を組んだ。本年度20人の新規採用を目指すという。

 県はバス利用者の声を代弁し、生活の足を確保するためもっと関与すべきである。

 バス会社も「利用者ファースト」の視点に立って、路線の効率的な再編統合に向けて本格的に議論すべきだ。