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「自衛隊なら延焼を防げた可能性」 首里城火災、初動の遅れ指摘 沖縄県の責任追及

2019年11月14日 05:50
9秒でまるわかり!
  • 自民県連は首里城火災に関し、玉城知事の危機管理上の責任を追及
  • 出張中に職務代理者を置かず災害対策本部設置が遅れ、延焼と指摘
  • 県はいずれの必要もないと反論。政局利用との自民批判や自重論も

 首里城火災で県の初期対応を巡り、県議会会派の沖縄・自民が玉城デニー知事の責任を追及する構えを見せている。韓国出張中の知事が職務代理者を置かなかったことが災害対策本部設置の遅れにつながり、延焼を招いたとの指摘だ。

激しく炎を上げる首里城=10月31日午前5時18分、那覇市首里金城町

全県議を対象にした説明会で、執行部を追及する沖縄・自民の照屋守之氏(中央右)=11日、県議会

激しく炎を上げる首里城=10月31日午前5時18分、那覇市首里金城町 全県議を対象にした説明会で、執行部を追及する沖縄・自民の照屋守之氏(中央右)=11日、県議会

 県は今回の火災は災害対策本部の設置基準に該当せず、那覇市消防局が適切に消火活動に当たったと反論。与党は「火災を政局化している」と不快感を示す。自民内からも「政争の具にしているとの反発を招きかねない」と自重論が挙がる。

◆対策本部が早ければ…

 「県が対策本部を設置したのは午後2時30分。危機管理上、大問題ではないか」。11日、全県議を対象にした県執行部による説明会で、自民の照屋守之氏は県の「初動の遅れ」を指摘した。出火直後に県が災害対策基本法に基づく対策本部を立ち上げれば、延焼は防げたはずだと主張する。

 池田竹州知事公室長は「死傷者は生じておらず、法律に基づく対策本部設置には該当しない」と説明。「那覇市消防局は消火のために取り得る手段を尽くした」と理解を求めた。

 また、県が設置した「首里城火災対策等本部」は鎮火だけでなく、復旧までを視野に入れた長期的な役割があるとし、自民との認識の違いを強調した。

◆なぜ代理者を置かず

 自民は知事が職務代理者を置かなかったことや、自衛隊に派遣要請しなかったことにも疑問を呈した。

 ただ、県秘書課によると代理者を置く基準は「海外に7日以上滞在する場合や滞在国の事情で連絡が取れない場合」と規定。「短期の出張では代理者を置かないのが全国的な流れだ」と問題はないとの認識だ。

 自衛隊派遣に関して県防災危機管理課は、原則として消火に当たる市町村が必要に応じて要請するとした上で「夜間や都市部で空中からの消火は技術的に難しい。自衛隊の派遣要請は頭にあったが、消火のプロの那覇市消防局が考えた上で要請しなかったはずだ」と述べた。

 ただ、自民県連関係者は「自衛隊は泡の消火剤も備えており、延焼を防げた可能性は十分ある」と指摘し、判断を疑問視する。

◆知事の出席を求める

 自民は知事が火災翌日に首相官邸で再建への支援を求めたことにも「原因究明し、県民にわびてから復興への機運を高めるのが知事の役割だ」(座波一氏)と反発。

 22日の説明会には知事の出席も求めており、19日に予定する各派代表者会で話し合う見込みだ。

 こうした自民の動きに、県政与党からは「首里城再建に県民がどう関わるかという課題はあるが、県政を追い詰めるために政局化するのはいかがなものか」と批判的だ。

 自民党県議の一人も「首里城再建はまさに党派を超え県民全体で取り組む課題。政争の具にすれば県民からの反発は必至だ」と不安を口にした。(政経部・大野亨恭、仲村時宇ラ)

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