高校生の時に取った免許は、原付きバイクよりも水上バイクが先-。そんな会社員、新川翔さん(22)=沖縄県宜野湾市=が12月にタイで開かれる水上バイクの世界大会に出場する。出るのはプロとアマチュアの混合部門で、新川さんによると沖縄県出身者は初めてだという。(中部報道部・平島夏実)

水上バイクに乗る新川翔さん(Ucchy Images提供)

笑顔を見せる新川翔さん(左)と兄の翼さん=10月27日、中城村内

水上バイクに乗る新川翔さん(Ucchy Images提供) 笑顔を見せる新川翔さん(左)と兄の翼さん=10月27日、中城村内

 水上バイクとの出合いは高2の時。兄の翼さん(33)の友人が持っていた水上バイクに乗せてもらい、水面を滑るような感覚に感激した。休みのたびに海へ出掛けどんどん日焼けしていく翔さんを見て、父の利行さん(57)は「もしかしてウミンチュにでもなるのかな」と不思議だったと振り返る。

 翔さんは父に内緒で操縦免許を取り、さらにアルバイトでお金をためて水上バイクを購入。「これはお兄ちゃんのやつです、という感じで隠しておいた」と打ち明ける。

 中城村や南城市のビーチで練習を重ね、20歳で日本ジェットスキー協会(JJSBA)の公式国内選手権に初出場。競技年数の浅い選手が対象のB級部門で優勝し、翌年2連覇を飾った。2019年4月には、よりレベルの高いA級ライダーに昇格した。

 12月に出場するタイの国際大会「ジェットスキーワールドカップ2019」は、ベルギーとアメリカに並ぶ世界3大大会。タイ国王の誕生日に合わせて近隣諸国の選手を招く「キングスカップ」として始まり、1999年に国際化した。翔さんにとっては初の賞金付き海外レースになる。

 会場までの水上バイクの運搬や日頃のメンテナンスは兄が支えてくれ、父も「やりたいことをやってごらん」と応援する。一方で翔さんの悩みといえば、沖縄の水上バイク人口が少ないこと。友人と勝負してみたいが「バナナボートに乗るから引っ張って」とせがまれてしまう。

 翔さんは「水上バイクがこれだけ楽しいと沖縄の人に分かってもらえるまで、プレーしたい」と笑った。