女性が誰かの母でなく妻でなくとも一人の人間として認められ、男性と同じ夢を追う事が出来るようになったのはそう昔の事ではない。

「レディ・マエストロ」

 1926年ニューヨーク。オランダから移民してきたアントニアは貧しい中、どんなに困難でも指揮者になると決めていた。だがオーケストラの奏者でさえ女性がほとんどいない時代、周りは嘲笑しか彼女に与えなかった。

 女性記者、女流小説家、女子アナ。男性だとつかない冠が今でも興味本位に女性にだけついてまわる。才能を持った女性がその才能を伸ばすのに誰に遠慮がいるものか。

 キャリアもコネもないアントニアが誰も想像しなかった地位を得るまでの道のりは険しいが、それでも夢を諦めないことを肯定してくれる応援歌のような映画。

(スターシアターズ・榮慶子)

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