◆胃心地いいね「アルテ崎山」那覇市首里崎山町

バランス良く作られた日替わりランチ。この日のメニューは煮付け。美也子さんは「仕入れに行ってその日一番おいしそうな食材を見つけてメニューを決めている」と話す

「食べる人のことを思い浮かべながら料理を作っているの」と話す霜鳥美也子さん=10月25日、那覇市首里崎山町

バランス良く作られた日替わりランチ。この日のメニューは煮付け。美也子さんは「仕入れに行ってその日一番おいしそうな食材を見つけてメニューを決めている」と話す 「食べる人のことを思い浮かべながら料理を作っているの」と話す霜鳥美也子さん=10月25日、那覇市首里崎山町

 店に入ると、ステージやギターが目に飛び込んできた。ライブハウスの顔を持つアルテ崎山は、店長の霜鳥美也子さん(61)が「若い人たちにチャンスをつくってあげたい」と2002年に首里の高台に喫茶店として開いた。

 以前は歌手になりたかったという店長は常連客から「美也子さん」と呼ばれ親しまれる。20数年前に沖縄に戻り、「自分の夢を追い続けるのは難しくなったけど、ずっと音楽に携わりたいと思って」と食事を作る傍ら、作品を発表する場として場所を提供している。ここで歌った多くのアーティストが羽ばたいていった。

 幼い頃から大勢の人に料理を振る舞う機会が多かったこともあり、料理の知識は豊富だ。中でも一押しは日替わりランチ(900円)。この日の日替わりメニューは「煮付け」で、大根は昆布だしが染み渡り、どこか懐かしい優しい味わいが広がる。「料理は下ごしらえさえできれば失敗しない」と話す霜鳥美也子さん。

 大根は煮崩れしないよう面取りをし、豚肉は前日から油抜きを施し、一切手を抜かない。食べに来てくれるお客さんの健康を第一に考え、「せめてここでは15品目は取ってもらいたい」と食材選びにも気を使う。

 最近は環境に配慮して紙ストローを使い始めた。「カメの鼻にストローが突き刺さっている映像を見て、悲しくなった」と心を痛める。店内にあるストローは霜鳥さんが紙ストローを探していることを知った常連客が持ってきてくれたものだ。

 「このお店はお客さんたちに支えてもらったおかげで続けることができた。これからもお店をきっかけに人と人とがつながっていければうれしい」と話す。「それと、みんなの台所を目指していきたいわね」とほほ笑んだ。(那覇担当・比嘉桃乃)

 【お店データ】那覇市首里崎山町3の34 コルネットビル3階。営業時間は平日正午〜翌午前0時。土日祝日は午後5時〜。正月とウークイが休み。有料駐車場有。電話098(884)7522。