国の文化審議会(佐藤信会長)は15日、国内最古となる約2万7千年前の全身人骨などが見つかった石垣市白保の「白保竿根田原(しらほさおねたばる)洞穴遺跡」を新たな国の史跡に指定するよう萩生田光一文部科学相に答申した。発掘調査で旧石器時代の人骨群が出土し、国内で初めて同時代の墓域(墓地)も確認されていた。近く官報で告示し、正式指定する。県内の史跡指定は42件目。

国の史跡に指定するよう答申された「白保竿根田原洞穴遺跡」の人骨検出状況=2015年6月、石垣市白保(県教育委員会提供)

白穂竿根田原洞穴遺跡

国の史跡に指定するよう答申された「白保竿根田原洞穴遺跡」の人骨検出状況=2015年6月、石垣市白保(県教育委員会提供) 白穂竿根田原洞穴遺跡

 遺跡は石垣島の東に位置する新石垣空港の敷地内にあり、全長約1キロの鍾乳洞の天井崩落で生じた陥没穴の開口部と内部に続く洞内緩斜面からなる。空港建設に伴う確認調査で2008年に見つかり、09~10年と12~16年の計7年にわたり本格的な調査が行われた。

 石灰岩の陥没洞口付近で保存状態の良い人骨が見つかり、旧石器時代を中心に千点超の人骨片が出土。少なくとも20体分が確認され、旧石器時代の人類遺跡としては世界最大級とされる。人骨そのものからの年代測定でそのうち1体が、全身骨格では国内最古の約2万7千万年前のものと判明した。

 文化審議会は「後期旧石器時代に当たる更新世末期の墓葬・墓域が発見された日本初の事例。完新世初頭から縄文時代後期に当たる時期の墓葬と合わせて、石灰岩洞穴や岩陰を利用した葬送習俗の長い歴史をたどることを可能にした」と評価した。

 県教育委員会の平敷昭人教育長は「歴史の正しい理解のために欠くことができない遺跡。今後、石垣市や関係機関等と協力し、適切な保護と保存、活用に努めたい」とコメントした。

 また文化審議会は、5世紀末から7世紀初めの前方後円墳や小型円墳が多数集まる埼玉古墳群(埼玉県行田市)を特別史跡に指定し、保護するよう答申した。