入社1年目だった2003年1月、「荒れる成人式」の取材で国際通りにいた。そろいの派手な紋付きはかまにリーゼント頭の新成人らがわが物顔で練り歩き、鏡開きで大騒ぎ。警察官ともみ合い逮捕者も。彼らの心境が理解できなかった

▼そんな県内のヤンキーの若者らに10年以上、密着調査を続ける社会学者の打越正行さん(40)の講演を聞いた

▼なぜ、沖縄のヤンキーは強烈な上下関係がある地元社会で生きるのか、彼らの多くが過酷で労働条件のよくない建築現場で働き、後輩や女性を殴るのか。彼らと生活することで見えてきた

▼親からケアを受けず、学校や地域からも排除されてきた。中学校にも行かず、暴走族や少年院を経て建築業に。その建築業は沖縄戦や米軍統治、不況に本土大手の参入の影響をまともに受けた

▼地元業者が危機を乗り越えるために使い勝手のいい地元の後輩を雇う中で、理不尽な上下関係や暴力が生まれたと分析。製造業がほとんどない産業構造も大きいという。暴力は肯定できないが、そこが彼らの居場所になっている現実がある

▼彼らと暴力を切り離すには、建築業の雇用を安定させ、将来展望が描ける環境にすることが大事だと打越さん。問題は子どもの貧困にも通底する。専門家が身を削って蓄積した調査結果を生かした解決策を見いだしたい。(石川亮太)