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「海も汚染されていないか」 嘉手納基地の泡消火剤流出 住民ら不安・憤り

2019年11月18日 13:00

 【嘉手納】米軍が1992年には、嘉手納基地(沖縄県)で海に泡消火剤を流出していたことが明らかになり、町民からは「垂れ流しだったのではないか」と不安の声が漏れた。公表しない米軍の姿勢を批判する声も上がった。

嘉手納基地内の消防訓練施設から排水溝を通じて嘉手納マリーナへ、泡消火剤が流出する様子の概念図。(本紙が米情報公開法に基づいて入手した米軍報告書に収められていた1992年5月13日の記録から)

 嘉手納町屋良の池原勲さん(76)は、これまで嘉手納基地周辺の河川や湧き水から有機フッ素化合物PFASが高濃度で検出されている問題に触れ「海も汚染されていないか怖いと思っていた。まさか流出させていたとは」と憤る。泡消火剤にはPFASが含まれていた可能性があり「対策が取られていたのかも分からない。近海の魚介類が汚染されていた可能性があったのではないか不安だ」と話した。

 町嘉手納の福地義広さん(58)は「言語道断で絶対に許されない」と怒りをあらわにする。本紙報道で流出が明らかになったことに「米軍は隠蔽(いんぺい)体質で、住民は報道でしか分からない。米軍機の爆音や悪臭問題だけでなく環境汚染問題も深刻だ」と話し、基地の撤去を訴えた。

 北谷浄水場の水源からPFOSなどが検出されたことを受け発足した「水の安全を求めるママたちの会」。呼び掛け人で那覇市の山田まどかさん(39)は「ストックホルム条約などで規制が始まる前とはいえ、化学物質を無責任に垂れ流していたのは許しがたい。県民は何世代にもわたって汚染された水や土壌に触れていたことになり、子どもや母体への影響を考えると不安だ」と話した。

 環境調査団体「インフォームド・パブリック・プロジェクト」の河村雅美代表は「米軍内では早い時期からPFASの有害性が指摘されていたものの、企業との癒着や代替品への切り替えコストなどからそれを隠蔽し、責任を回避してきた経緯がある」と説明する。今回明らかになった報告書について「長期間PFASを含む泡消火剤が適切に処理されなかったことを示す一例。その結果、PFASが地下水や土壌に蓄積し、現在私たちの生活圏に滲出(しんしゅつ)して解決困難な問題となっている」と指摘した。92年に施設や訓練手順に問題があったことが分かった以上、県など行政は米軍がそれらをどう処理、改善したのか確認する責任があるとした。

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