実は、平和通りはブロックによって、テーマを設けていたのはご存知だろうか。

 「国際通りから入って左手に花笠食堂さん、右手に老舗の平良カーテンさんを見るところまでが観光客を意識したゾーン。そこから牧志公設市場衣料部までは主婦層を、さらに壺屋に抜ける通りまでは地元客を意識しているんです」

【それでも昔ながらの人情濃度は変わらない】

 今でも平和通りには『相対売り』といって、価格表示がなく、会話を楽しみながら値段交渉をするコミュニケーションが生きている。

 大型スーパー世代の筆者が平和通りに抱くイメージは『人情に触れられる街』。

 対比してスーパーやコンビニをあえて画一的と表現するならば、商店街は商品を買うだけではなく、交流の要素が加わることで同じ商品でもさらに価値が高まる。そんな感覚。

 古くから続く人情あるコミュニケーションは薄れることなく、新しい波を起こしている。平和通りの周辺一帯には、人間交差点の代名詞的存在である立ち飲み屋の文化も根付き始め、連日満員御礼。フラっと立ち寄り、そこに集う人々と雰囲気をさかなに飲む。街で飲む。

 平和通りの1本隣のパラソル通りでは、本を持ち込むとそこにある好きな本と交換ができる「みんなのほんだな」で、ここに訪れた知らない誰かとの無償の貸し借りをする。

 人の往来の数や属性は時の流れと共に変わりゆくも、そこにある人情は変わらない。そして今度は回りまわって、平和通りを始めとしたマチヤーグヮーの存在に魅せられた若者たちが、自然発生的に個性的な店や場所を作り出し、ボトムアップ型の地域活性を生み出している。行政の計画ではなくまさに人、人、人から発信されたたまものがこの街だ。

 「平和通りのまちづくりの基本理念は『明るくて誰とでも気軽に語り合える、平和で楽しい家庭的なまちづくり』です」と教えてくれた平和通り商店街振興組合のみなさん。取材を終えた後に声を掛けてくれた「また普通にコーヒー飲みに遊びに来てね」 もう、これ! ここに全てが集約される気がしています。