■アメリカではありえない普天間の被害

 違法な爆音が繰り返されているにもかかわらず、司法がこれを除去できなかった普天間第一次訴訟判決の不条理。これを打開するために、2012年3月に3400名余の原告が第二次訴訟を提起しました。

 私たちが依拠するのは憲法です。憲法は人間の尊厳を基盤として、基本的人権を至上の価値とし目的としています。住民の命を削る爆音は、基本的人権を侵害しています。しかし、被害者である住民は加害者である米軍を被告として、違法な爆音の差し止め裁判を起こすことができません。これは明らかに憲法に違反する状態です。その根本の原因は日米地位協定の中に、米軍の違法な活動を規制する仕組みがないからです。このように加害者を相手に裁判を起こせない状態のもとで、普天間飛行場を提供することは、憲法に違反し許されないものです。

 私たちの裁判は提訴から5年が経過し、3月24日に結審、年内には一審判決の予定です。那覇地裁沖縄支部(藤倉徹也裁判長)が憲法判断に踏み込むことを期待します。

 なお、普天間飛行場は滑走路の両端に設定すべきクリアゾーン(事故危険区域)がない、米軍が定める安全基準を逸脱する欠陥飛行場です。それゆえ「米軍の安全基準(AICUZプログラム)」に基づいて、日本政府がアメリカ政府と交渉できれば、即刻、普天間は運用できなくなる理屈ですが、アメリカのダブル・スタンダードに対して、安倍政権が「NO!」と言えるでしょうか?

 普天間飛行場は1945年、沖縄に上陸した米軍が宜野湾村民の家屋、土地、財産を強奪して「本土爆撃用」の野戦滑走路を造ったことに始まります。ハーグ陸戦条約・国際法違反の占領が70年以上も続いています。普天間は国連軍基地でもあるので、沖縄の自己決定権に基づき国際法違反の普天間の実態を国連に訴え、国際世論の共感と賛同を呼び、取り戻すことができないものでしょうか? 知恵をよせてください。

 オスプレイについても、ハワイやアメリカ本国では、歴史遺産や観光地、コウモリ等の生息地を保全するために、訓練計画が撤回されました。ところが普天間から飛び立ち高江で低空飛行を繰り返すオスプレイは、天然記念物のノグチゲラやヤンバルクイナ等の生息環境、山原の生態系をメチャメチャにしています。市街地でエンジントラブルが起きた時には、学校の校庭を緊急着陸場所に選ぶ飛行訓練まで行われているのです。米軍は、県域のすべてを「実験場」とみなしているのでしょうか。

■元米兵VFPが教えてくれたこと

 昨年12月に来沖した米退役軍人ら約千人を擁する全米規模の市民団体「Veterans For Peace(VFP、平和のための退役軍人の会)」一行が、普天間基地のゲート前で毎朝抗議活動をしている私たちのもとを訪ねてくれました。その時に残していってくれた言葉があります。

 「戦争が一体どういうものか、僕の経験から言わせてください。なぜなら、どの政府も戦争の真実を決して語らないからです。軍隊に入るということは人間性をことごとく奪われることです。戦争が僕たちを変えてしまったんです。人間にとって戦争ほど最悪の経験はありません。今、僕たちの国アメリカは、その戦争の必然の結果を目の当たりにしています。一緒に戦場にいた兵士が棺桶の黒いビニールに包まれて帰ってくるのです。無事に帰還しても自殺する帰還兵が後を絶ちません。一日に22人もが自ら命を絶っているのです。沖縄で、いえ、日本で、こういう数字を見たいんですか? 僕の目は、二度と真実からそらされることはありません。普天間に駐留する海兵隊には『あなたたちの軍隊が、私たち沖縄の民主主義を殺している。権威を疑え!目を覚ませ!』とメッセージを伝え続けてほしい」と。

 ところで、提供名簿に載せられたわが家の次男は、小学校に上がる前ほぼ1年間を病院で過ごしました。当時は治療法も手探りの難病だと診断されましたが、医療関係者の尽力や、研究・専門技術、臨床・治験の積み重ねなどによって、今では元気に学校に通えるまでになりました。しかし同じ病室で過ごした子どもたちの何人かが、治療のかいなく亡くなっていきました。

 生きたくても生きられなかった命を、私も次男も間近にたくさん見てきました。ようやく助けてもらった命を、そんなに簡単に「徴兵」でもって行かれるのは、まっぴらゴメンです。子どもたち、孫たちの時代に、誇れる宜野湾を残したいものです。