賢く生まれた人は、その賢さを何に使うのかと期待され、その大方が世のため、人のために役立つのでなければ凡人以上に疎まれる。

影踏み・スクリーンガイド

 “気付かれず証拠も残さず”が信条のプロの窃盗犯、修一は常に一匹おおかみ。ある日忍び込んだ家で夫を焼き殺そうとした妻に遭遇し、彼女を止めた直後逮捕されてしまう。

 まるで警察は待っていたかのような素早さだった。不可解な事実に2年の刑期を終えた修一は独自の調査を始める。

 修一もまたその優秀さゆえに将来を嘱望された人間。事件の謎は絡み合った糸を丁寧にほぐしていけば、大方は真実が見えてくる。

 だが人間の愛憎のもつれはその糸口さえも見つからず、長く囚われの状況から抜け出せずにもがく。手放せば楽になると言われても、楽になる事を良しとしない感情が厄介だ。(スターシアターズ・榮慶子)

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