ジュンク堂書店那覇店(森本浩平店長)は沖縄県内の出版15社でつくる沖縄出版協会(会長・大城佐和子東洋企画印刷専務取締役)に協力を呼び掛け、絶版となった県産本を復刊する計画を進めている。

絶版本を復刊して販売する仕組み

 原版を製作する必要がないため、印刷コストが大幅に抑えられるデジタル印刷機を持つ県内印刷会社に協力を依頼。何部作っても1冊当たりの印刷コストは変わらないため、従来採算が取れなかった1冊からでも出版社が本を再発行できるようにする。来年4月開始を目指している。

 ジュンク堂書店那覇店に専用のインターネット販売サイトを開設し、国内外から注文を受け付ける。インバウンド(訪日外国人観光客)が増えていることから、英語や韓国語、中国語などの翻訳版も販売する。

 県外では講談社や角川書店などがデジタル印刷機を導入して少部数で販売している。文化や芸能などをテーマに、多様な出版物がある沖縄の名著復活につなげ、誰もが読める環境を整える。

 原版を作って転写する「オフセット印刷」は大量に印刷するほど印刷単価が下がるため、出版社は1500冊以上でなければ採算ラインに達しない。一方、デジタル印刷機は本の内容をデータ化するだけで印刷単価は変わらない。

 復刊には著作権をクリアする必要があるため、出版社を通じて著者や相続人の了承を得る。県内でデジタル印刷機を導入している印刷会社は限られており、県印刷工業組合に協力を求める。

 森本店長は絶版となった県産本を県内の出版・印刷会社がよみがえらせ、書店で販売する本の「知産知招(地産地消)」のシステムを構築するとし、「沖縄の出版文化の発展につなげたい」と意欲を示した。