深刻化する人手不足を背景に、沖縄県内でシニア・高齢者向けの求人が増加している。那覇ハローワークでは「シニア応援求人」が、2018年度上半期の計1438人に対し、19年度上半期は2433人と同期比1・69倍に増加した。また、高齢求職者も増加傾向にある。高齢者の社会進出が増える一方、生活のため働かざるを得ない高齢者も多いという。(政経部・仲村時宇ラ)

窓口で求職者の相談に対応するハローワークの職員=10月24日、ハローワーク那覇

 シニア応援求人は年齢制限の無い通常の求人だが、特記事項として55歳以上を積極的に雇用すると明記するもの。仕事内容や人間関係の変化、体力面の懸念から就労に抵抗のある高齢者も多いが、シニア応援と明記することで、高齢者が応募しやすくなるという。

 同求人の増加について、沖縄労働局は「採用に苦戦し、人手不足に悩む企業が高齢者に積極的にアプローチしている」と指摘。また「高齢者の社会進出が増え、企業もその雇用に積極的になった」と社会的な意識の変化も分析する。

 職種別では、11月20日時点のハローワーク那覇登録のシニア応援求人で、介護補助や調理、飲食店の接客などサービス業が約25%、保育士や看護師など専門的・技術的職業が約17%を占めたほか、警備や清掃、タクシー運転手、製造業などで求人が多い。

 また、高齢求職者も増加傾向だ。同所の新規求職申込件数に占める65歳以上の割合は、18年度は6・5%で、14年度の2・9%から3・6ポイント上昇した。 

 60歳以上の労働者は全国的に増加傾向で、18年には全体の17・2%を占めた。県内でもこの10年で約5万人増加し、割合も09年の6・6%から、13・7%(18年)へ上昇した。

 一方、県内の55歳以上の求職者が希望する職種では、求人が2・5%と少ない事務的職業に求職者が集中するなど、求人と求職のミスマッチもある。

 高齢求職者の増加について、同所は「健康・体力面の向上により、就労意識の高い方が増加している」と分析。一方で、年金の受給開始年齢引き上げや、年金だけでは賄いきれない生活費のため、就労を希望する高齢者も多いという。

 少子高齢化が進む中、国は「特定求職者雇用開発助成金」として高齢者を雇用した企業に最大70万円を支給するなど、人手不足の解消を見据え、高齢者の積極的な採用を促している。