製造所の廃業で生産中止となっていた沖縄の「うめーし(箸)」の代表格「赤黄箸」が、県産品としての再出発に向け、動きだしている。卸元だったカネナガ商事(那覇市壺屋)が就労支援センター「心輪」(那覇市繁多川)に製造を依頼し23日、テスト品の制作が始まった。来春にも本格製造に乗りだし、来年中の販売開始を目指す。

沖縄の食卓に欠かせない赤黄箸

竹の箸に黄色の塗料を塗り赤黄箸のテスト品をつくる田川信次さん(左)と心輪の職員ら=23日、那覇市繁多川・就労支援センター心輪

沖縄の食卓に欠かせない赤黄箸

竹の箸に黄色の塗料を塗り赤黄箸のテスト品をつくる田川信次さん(左)と心輪の職員ら=23日、那覇市繁多川・就労支援センター心輪

 「赤黄箸」を製造していた鹿児島県の中西竹材工業が6月に廃業して以降、カネナガ商事代表の田川信次さん(42)は県内生産を目指し、製造所探しに奔走。独自の製法を持っていた中西竹材工業と同様の工程ではコストや技術が追いつかないため、安全で使いやすい塗料と竹材も自分で探した。

 そんな中、就労支援活動の野菜販売でカネナガ商事の前をよく通っていた心輪の職員が、製造を担当できないかと申し出。利用者らの働きぶりを見ていた田川さんが10月中旬に「那覇市の特産品にするためぜひ協力をお願いしたい」と正式に依頼した。

 田川さんと職員は23日、初めてテスト品の制作に挑戦。国産、中国産の数種類の形の箸に黄色の塗料を塗り、発色などを確かめた。

 食器やおもちゃに使われる安全性の高い塗料を本土から取り寄せたといい、竹材に塗った時の色合いは予想できなかったという田川さん。はけで一塗りすると「思った以上にきれい。よかった」と声を弾ませ、安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 今後は、箸の強度の確認や重ね塗りを何パターンか試し、来月17日にテスト品を完成させる予定。中西竹材工業の職人にも送付し、見てもらうという。

 田川さんは「赤と黄色の境界線が波打つような曲線で、柔らかい印象があるのが手作りの赤黄箸の魅力。この文化を絶やさず、また多くの人に届けたい」と販売に向け意気込んだ。