那覇市首里の首里公民館付近にある当蔵市街地住宅の解体工事が進んでいる。同住宅が完成したのは1968年11月。9階建て、高さ27・7メートルと当時としては珍しい高層ビルで、県住宅供給公社の前身となる琉球土地住宅公社が初めて手掛けた賃貸住宅だった。

当蔵市街地住宅に設置された当時、近代的とされた浴室=出典・県住宅供給公社10年のあゆみ(1976年発刊)

解体工事が進む当蔵市街地住宅=那覇市首里

当蔵市街地住宅に設置された当時、近代的とされた浴室=出典・県住宅供給公社10年のあゆみ(1976年発刊) 解体工事が進む当蔵市街地住宅=那覇市首里

 当蔵市街地住宅にはかつて1階部分にスーパーマーケット、2階に琉球土地住宅公社の事務所があり、63戸の部屋を備えていた。建設当時としては珍しく、エレベーターも1基完備していた。

 琉球土地住宅公社は66年9月に設立。働く中間所得層に賃貸住宅を安定的に供給する役割を担っていた。

 県住宅供給公社の担当者によると、復帰前後の67年から76年の間は、「民間の住宅供給能力が十分でなかったことや都市地域への人口集中を背景に住宅不足が大きな問題になっていた」という。

 1級建築士でもある小倉暢之琉球大名誉教授は「店舗が入居し、上階に住宅を構えるミックスタイプは当時としては珍しく、未来的な建物だった。復帰前は低層階の建物が多く、ランドマーク的な建物だったのだろう」と話した。

 老朽化に伴って2018年に石嶺に移転。今年7月に解体工事に着工し、12月中旬の完了を目指している。