沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、県の埋め立て承認撤回を取り消した国土交通相の裁決は違法として、県が裁決取り消しを求めた「抗告訴訟」の第1回口頭弁論が26日、那覇地裁(山口和宏裁判長)であった。玉城デニー知事が意見陳述し、「軟弱地盤など辺野古の工事は大きな問題があり、撤回は適法だ」などと県の正当性を強調。国側は、訴えは裁判所の審判対象とならず不適法として、門前払い判決とするよう求めた。

第1回口頭弁論が開かれた那覇地裁の法廷=26日午後(代表撮影)

 山口裁判長は裁判の入り口論に関する法的根拠を双方に質問。年末までに国側に詳細な反論を求めた上で、県側に再反論するよう促した。次回期日は来年3月9日。県の承認撤回や国交相裁決が違法か適法かを問う前に、訴えが裁判で審理されるかの法的解釈が最初に争われることになる。

 法廷に立った玉城デニー知事は沖縄の過重な基地負担の歴史を紹介した上で、辺野古の新基地建設を巡る国の対応を批判。2013年12月の埋め立て承認後、軟弱地盤の存在が明らかになったことや、沖縄防衛局が留意事項を順守しなかったことなどを指摘した。

 承認撤回は「防衛局が法令上順守すべき義務と責任を果たしていないことが認められたため」と説明。国交相裁決は根拠のない違法なものだと訴えた。

 2月の県民投票で辺野古反対の民意が示されたことにも触れ、「政府が民意を無視して工事を強行することは民主主義を踏みにじり地方自治を破壊するもの」と強調。裁判長には「実体審理を尽くし、正しい判断をしてほしい」と述べた。

 裁判の入り口論について、県側は研究者の学説などから訴訟提起の適法性を論じた。国側は02年の最高裁判例を根拠に訴えは不適法として、裁判の中身について反論する必要はないとした。

 行政事件訴訟法に基づく抗告訴訟。県は地方自治法にも基づいて裁決取り消しを求めたが、福岡高裁那覇支部で10月に敗訴し、最高裁に上告している。