総事業費2074億円を投じ、約5年10カ月かけて整備される那覇空港第2滑走路。来年3月26日の供用開始が決まるも、地元経済界が受け入れ拡大を目指して旅客ターミナルビルを第1、2滑走路の間に移転する要望に国土交通省担当者は「まずは発着24万回に対応するため、既存のターミナルをしっかり整備する。移転は中長期的な課題」と慎重な考えだ。

沖合で建設が進む那覇空港第2滑走路=2018年12月

 政府は訪日外国人客を2020年に4千万人、30年に6千万人とする目標を掲げている。18年度は300万人超だった沖縄に対し、第2滑走路の供用開始で来沖客のさらなる取り込みに期待する赤羽一嘉国土交通相は「大きな起爆剤となる」と力を込める。

 第2滑走路の供用開始で安定的に運用可能な発着回数は現在の年間13万5千回から24万回に増加する見込みだ。

 しかし、17年7月に沖縄総合事務局事業評価監視委員会で報告された第2滑走路運用後の需要予測では、嘉手納基地を発着する米軍機との飛行調整や第2滑走路を使用する航空機が第1滑走路を横切るほか、自衛隊機の緊急発進(スクランブル)も運航の妨げになる可能性が指摘された。

 これを受け県内経済団体などで構成する那覇空港拡張整備促進連盟は旅客ターミナルビルの新設移転などを国に提言した。だが、計画は具体化されておらず、政府は第2滑走路の完成に合わせて国際線CIQ(税関・入国管理・検疫)施設の拡張など周辺機能を強化させる考えだ。

 今年2月の衆院財務金融委員会では「要望が一部であることは十分分かっているが、あらゆる検証をした結果、今の(ターミナルの)状態で発着回数の(増加への)影響は少ないと考えている」として否定的な見解だ。

 県側は「地元の空港をフル活用できるよう、供用開始後にターミナルやスポットが足りるのか独自に調査して議論のたたき台にしたい」と述べた。