浦添市の港川自治会に掲げられている「平和宣言」には、「平和学習の継続」「再び戦争に加担させられることを拒否」「基地のない平和な沖縄の実現」などが盛り込まれている

▼平和宣言は5年前の自治会創立70周年式典で制定した。自治会の評議員会で議論を重ね、地域の戦争体験者、子育て世代の声も反映。加入する全世帯に宣言文を配布した

▼なぜ、一自治会が平和宣言なのか。銘苅全郎自治会長(77)は「生活の場から平和を考えることが大事。宣言は子どもたちに向けた決意表明でもある」と話す

▼自治会では、子どもたちが戦争体験者の証言を記録する平和学習とともに環境学習にも取り組む。カーミージー(亀形の岩礁)周辺に広がるイノー(礁池)の保全・活用を目指し、自然や命の大切さも伝える。学校と連携し、行政に働き掛けて制定した「里浜条例」も地域の誇りだ

▼一方、イノーのすぐそばに那覇軍港の移設計画がある。移設条件付きで日米が那覇軍港の返還を決めたのは45年も前のこと。社会が変化する中で「軍港は必要ない」との指摘もあるが、那覇港管理組合は来年度内に軍港配置を含めた計画をまとめる方針だ

▼「地域の海を100年後にも残そう」と希望を込めた里浜条例と軍港計画の矛盾。政治や行政の議論に、地域や子どもたちの思いはあるだろうか。(吉川毅)