那覇空港で建設が進む2本目の滑走路の運用が2020年3月26日から始まる。第2滑走路の整備で、年間発着可能回数は約1・8倍の24万回が見込まれている。「アジアのゲートウエイ」として、沖縄の発展に貢献する世界水準の拠点空港への弾みとしたい。

 陸上交通で他県と結ばれていない沖縄にとって、飛行機は極めて重要な移動手段だ。空港は観光をはじめとする産業振興や交流・物流拠点としても重要な役割を果たす。

 第2滑走路は現滑走路の沖合160ヘクタールを埋め立てて建設。長さは2700メートルで14年1月に着工した。総事業費は約2074億円に上る。

 安定的に運用できる年間発着回数は、現在13万5千回だが、18年度は16万4千回を数えた。

 滑走路を1本しか持たない国内空港では、発着回数が福岡に次いで多い過密空港だ。加えて自衛隊との軍民共用で、運用は限界に達していた。

 2本目の滑走路が整備されることで過密化が解消され、トラブルなどにより、空港が閉鎖されるリスクも大きく軽減する。

 県の沖縄21世紀ビジョン基本計画でも、滑走路増設は国際交流・物流拠点の「核」と位置づけられている。

 増大するインバウンド需要に対応するため、CIQ(税関・入国管理・検疫)施設を拡張する予定で、ターミナル機能の強化も図る。

 成長著しいアジア諸国の活力を取り込み、那覇空港をアジアに開かれた玄関として育てていきたい。

■    ■

 発着可能な回数が1・8倍に増えるにもかかわらず、現時点で来年3月以降の大幅な増便や新規路線就航が見通せていない、というのは気になるところだ。

 各エアラインが所有する航空機の機材繰りや、那覇空港を結ぶ主要空港の発着枠に限りがあるなど、制約が多いからだという。

 新規路線就航に関心を示すアジアの航空会社もあるというが、定期的に沖縄へ旅客を送迎できるかという採算性が壁となり、具体化していないのが実情だ。

 第2滑走路の供用開始に合わせて、ホテルなど宿泊施設の建設が進められてきた。

 経済界の期待も大きい。

 器に見合った増便による利用促進は、待ったなしで取り組まねばならない。県には海外で沖縄観光の魅力や認知度を高めながら、増便への具体的な計画を示すことが求められる。

■    ■

 定時運航と安全性確保を図る上で自衛隊機との軍民共用の問題も大きい。昨年7月、自衛隊機のパンクで空港が2時間近くにわたって閉鎖され、約1万人に影響が出たことは記憶に新しい。

 緊急発進(スクランブル)も急増。18年度は東シナ海など対中国が638回で、前年度よりも138回増えた。大部分が那覇空港から離陸した。

 自衛隊機は沖合の第2滑走路とともに現行滑走路も使用する。第2滑走路を民間機と自衛隊機がどう使うか、詳しい説明はいまだにない。

 軍民共用のリスクは、引き続き残る。