伝統を守り続けている壺屋の町では最近若い陶工の姿を見かける事が多くなった。作品を板にのせ軽々と運んでいるが、力仕事の上、バランスをうまくとらないといけない難しい作業だ。ロクロを回す女性にたずねると、『土を触るのが好きだし、作品を造るのがとても楽しい』と笑顔で語っていた。大量生産のものとは違い、手に取ると人の温もりを感じる壺屋焼にはこんな職人の思いも込められているのかと感じた。

 壺屋焼は、大量生産に押され、一時期低迷した時期もあったが、その良さを認める人々により復活し、人間国宝となった金城次郎氏を始め、様々な名工が誕生した。その後を継ぐ次世代も育ち、彼らの発想により実行された『貸し傘』は、やちむん通りのどの店でも傘を借り、返却できるので、雨天時の買い物客から重宝がられている。古くから残る史跡の保存も行われ、国の重要文化財に指定されている、敷地内に登り窯があり、昔の陶工の屋敷の姿を残す『新垣家』も修復作業が進んでいる。

 昔からある姿や伝統を残しつつ、若い世代の発想も取り入れ成長し続けていく壺屋の街は、この先どんな姿になるのか、興味がつきない。都市化が進む那覇市にありながら『緑のオアシス』とも言える壺屋に訪れて、豊かな緑と陶工達の素晴らしい作品を楽しみながら、王国時代の歴史に思いを馳せてみてはいかがだろうか。