病気などで髪を失った18歳未満の子どもに髪を贈る「ヘアドネーション」(髪の寄付)のため、沖縄市の長浜妃桜等(ひおら)ちゃん(4)が27日、那覇市の美容室「quaint(クウェイント)」で、生まれてからずっと伸ばしていた髪をカットした。約30センチの長さの束が七つでき、鏡に映るボブヘアーに「かわいくなってる。髪は友達にあげる」とはにかんだ。
妃桜等ちゃんは生まれつき弱視で現在も中部病院の小児科と南部医療センター・子ども医療センターの眼科に通っている。そこで、ウィッグを必要としてる闘病中の子らを目の当たりにした母親の恵里奈さん(42)は、ヘアドネーションの必要性を痛感。そんな中、妃桜等ちゃんがその子らに「髪をあげる」と声を掛けている姿に心動かされ、ヘアドネーションに取り組む美容室をネットで探した。
妃桜等ちゃんは生まれて初めてのカットに終始笑顔で「楽しい。シャンプーも気持ちいい」とにっこり。短くなり、首のあたりが少し気になるようだったが、「短い髪も好き。また伸ばして1年生になったら友達にあげる」と喜んだ。
恵里奈さんは「小さくても人の役に立てることがある。優しい心を持ったまま育ってほしい」と目を細めた。
髪は同美容室を通じて、メディカル・ウィッグの活動に取り組む県外のNPO法人などに寄付される。