那覇市与儀の旧那覇市民会館のそばで親子2代で50年近く焼き芋を販売してきた知念美佐子さん(70)=那覇市=が30日で引退する。トラックの販売車で売りながら行き交う人や変わる町並みを見つめてきた。

旧那覇市民会館のそばで焼き芋を販売し続けてきた知念美佐子さん=28日

 知念さんは母ヨシさんの後を受け継ぎ、1987年前後から販売を始めた。トレードマークはピンクのサンバイザー。茨城県産の芋は毎日市場から仕入れ、増税のあおりも受けながらも「お客さん第一で」と価格100グラム100円を守ってきた。

 2016年10月に市民会館が休館。人の流れが一気に変わった。町並みも変わっていき「高いビルも建って、風も冷たく感じるようになった」と話す。トラックの車検の時期も近づいたことから「今が引き時かな」と営業終了を決意した。再開の予定はないという。

 「続けて来られたのはお客さんとのおしゃべりのおかげ。芋の販売をきっかけに模合仲間もできたし、通りがかる子どもたちの成長も見守ることができて楽しかった」と振り返る。

 最終日は窯をフル稼働させて焼き芋を提供するという。「食べたいお客さんがいる限り、芋が売り切れるまで売りたい」とほほ笑んだ。30日の営業は午後7時頃までを予定している。