スマートフォン利用の低年齢化が進む中、会員制交流サイト(SNS)をきっかけに、子どもが犯罪に巻き込まれるケースが相次いでいる。

 被害に遭わないための力をどう身に付ければいいのか。買い与えた以上、保護者も「仕組みがよく分からない」では済まされない問題だ。

 先月、大阪市の小学6年の女児が行方不明となり、栃木県の35歳の男が未成年者誘拐容疑で逮捕された事件は、SNS利用の危うさを浮き彫りにした。

 社会に衝撃を与えたのは、2人がツイッターで知り合い、他人が見られないダイレクトメッセージで連絡を取り合っていたことだ。驚いたことに容疑者宅からは、行方不明届が出ていた別の女子中学生も発見されている。

 「女の子(女子中学生)の話し相手になってほしい」とのメッセージを女児に送って誘い出したことが分かっている。女児の悩みを利用し言葉巧みに連れ去った可能性もあるという。

 とはいうもののなぜ、見知らぬ相手と連絡を取り、1人で会いに行ったのか。

 SNSは趣味や悩みを共有する人たちが簡単に友達になれるコミュニケーションツールである。一方で社会経験が未熟で判断力の乏しい子どもがその闇に吸い込まれることが少なくない。

 警察庁のまとめによると、昨年1年間にSNSを利用して性犯罪などの被害に遭った18歳未満の子どもは1811人に上る。過去2番目に多く、高止まりの状態が続いている。

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 今やスマホは中高生の8割以上、小学生でも3人に1人が所有する時代である。

 主要なSNSは13歳未満の使用を禁止しており、あえて持たせないという選択もある。しかし共働き世帯が増え親との連絡手段として欠かせなくなっている状況を考えると、被害に遭わないための教育がより重要といえる。

 スマホ所有と情報モラル教育はセットであるべきで、「ネットに書き込んだ名前や住所は消せない」「ネット上では別人になりすますことができる」「『会いたい』と言われたら信頼できる大人に相談する」などの防犯知識は小学生の段階から身に付ける必要がある。

 先の警察庁の調査で、9割近くの被害者が悪質サイトへの接続を制限するフィルタリングを利用していなかったことを考えると、その活用も欠かせない。

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 子どもとネットとの関係を「無免許で車を走らせているようなもの」と指摘した専門家がいた。 

 何より大切なのは、保護者が子どものスマホ利用に関心を持ち、安全に走れるよう導いてやることだ。「子どもの方が一歩も二歩も先を行っている」との苦手意識を排し、使用時間のルール化やトラブル発生時の対応などを、親子でじっくり話し合ってもらいたい。

 業界団体も青少年がSNSを安全に利用できるよう、年齢確認の厳格化など対策を講じなければならない。企業の社会的責任も問われている。