社説

社説 [喜友名選手五輪確実] 発祥地から「金」の頂へ

2019年12月3日 08:09

 東京五輪の空手男子個人形で喜友名諒選手(29)=劉衛流龍鳳会=が五輪代表入りを確実にした。

 県関係者では初めて。東京五輪全種目の中で、日本勢の「金メダル最有力」と目されており、期待が高まる。

 全日本空手道連盟が内定とする条件を満たした。来年4月6日に代表に「正式決定」するという。

 喜友名選手は全日本選手権を2012年から7連覇中、2年に1度開催される空手界最高峰の世界選手権でも3連覇している。

 国際大会で約2年間、負け知らずで連戦連勝を成し遂げている。世界レベルでみても異次元の選手であり、空手界の「絶対王者」と呼ばれるにふさわしい。

 18年の世界選手権で演武した劉衛流最高峰の「アーナンダイ」は、「アーナン」を進化させた技で空手界に衝撃を与えたと語り継がれている。

 力強く繊細な動きから繰り出される突きや蹴り、鋭い眼光、場内を切り裂くような気合…。研ぎ澄まされた一つ一つの技が見る者を圧倒する。

 沖縄だけでなく、日本の期待の星なのである。本人も「五輪の頂点をイメージしている」と語るように、目指すのは金メダルだ。

 進化を可能にしているのが稽古に対する貪欲な姿勢だ。重量挙げ選手のような筋力トレーニングや、もも上げ走など短距離選手のためのメニューも取り入れて体幹を鍛え上げた。それが、演武の土台をつくっている。

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 「沖縄独特の深みのある空手」(師匠の佐久本嗣男劉衛流龍鳳会長)を形の理想に掲げる。そのために新しい試みにも挑戦している。「技の抜き差しや表現力を研究していけば、まだ伸びる」と確信しているからだ。世界トップにもかかわらず、妥協することなく自己と厳しく向き合う。

 旺盛な探究心を持続することによって自ら伸びしろをつくっているのである。

 喜友名選手の形は力強さと美しさを兼ね備えているといわれる。最近は琉球舞踊の所作に着目し、南風原高校郷土芸能部の生徒らから舞踊を学んだ。

 今年9月、日本武道館であったプレミアリーグ東京大会決勝で相手に大差をつけて優勝した際の言葉が印象的だ。

 「太鼓からは緩急の表現力、踊りからは目線や腰の使い方が参考になった」と語っている。空手の発祥地である沖縄の伝統文化の要素も取り入れている点が興味深い。

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 五輪終了後に行われるパラリンピックの陸上男子では、上与那原寛和選手(48)=SMBC日興証券=が車いすT52クラスの400メートルと1500メートルの2種目で日本代表の内定をすでに決めている。

 上与那原選手は北京大会で初出場したマラソンで日本記録を出し、銀メダルに輝いた。その後ロンドン、リオデジャネイロに続く4大会連続の出場だ。

 パラリンピックは障がい者スポーツを超え、競技レベルは高くなる一方だ。世界の選手を相手にレースをしてきた経験の豊かさでメダルを狙ってほしい。

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