政府が75歳以上の後期高齢者の医療費窓口負担を、2022年に1割から2割に引き上げる方針を固めた。方針を受け、沖縄県内で福祉や介護に関わる関係者からは「消費税増税と矛盾する」「低所得者が困窮する」など不安の声が上がった。

 県社会保障推進協議会の高崎大史事務局長は「高齢者の生活実態をしっかりつかんでいないのではないかと思う」と指摘。所得の低い沖縄では本土以上に医療費の負担感が強いとしながら「貧困の連鎖は年金から始まり、1割負担でも厳しいのが現状。消費税を増税し、年金は下げ、医療費や介護費を上げれば、家族の生活問題にもつながる」と政府の姿勢を疑問視した。

 合わせて高齢者を対象にした措置に「消費税増税、年金切り下げと矛盾し、高齢者の医療・介護へのアクセスを阻害する。孤立死や手遅れ死亡事例は既に起きており、憲法25条の立場で老後の尊厳や生きる権利を守るため、逆に負担は軽減すべきだ」と訴えた。

 介護と福祉の調査機関おきなわ(介護リサーチおきなわ)の堀川美智子理事長は「沖縄では基礎年金すら満額を受給できない高齢者も多い。医療費負担が増せば、必要な受診まで控えることにならないか心配だ」と自己負担の増加を懸念。

 多くの後期高齢者が何らかの形で医療を受けており受診控えによって体調が悪化すれば、家族や周囲の負担にもつながるとしながら「特に、ギリギリで生活保護の対象にならないなど低所得のボーダーラインにある層が困窮する恐れがある。政府が設けるとしている低所得への『配慮』が、どのような線引きをどんな内容でするのか注視する必要がある」と強調した。