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本紙入手の会議録で判明…石垣自治条例、廃止ありき

2019年12月4日 16:00

 【石垣】石垣市議会の自治基本条例調査特別委員会(友寄永三委員長)が同条例を「廃止すべきだ」と結論付けた件で、特別委が実質的な検証をしていないことが、本紙が3日入手した会議録で分かった。これまで5回の会合でわずか約5時間の議論で、「市民の定義」への疑義や「理念条例」であることの指摘に終始した。識者からは「廃止ありきではないか。廃止することで自治が実現する理屈を探すことは難しい。議論に中身がないのは当然だ」と指摘する。(八重山支局・粟国祥輔)

石垣市自治基本条例について「廃止すべきだ」と報告する市議会調査特別委の友寄永三委員長(壇上)=2日、石垣市議会

 市議会(定数22)の構成勢力は議長を除き、与党12人、野党9人。特別委はことし3月に与党市議10人で設置した。野党は拒否して委員になっていない。市議会事務局によると、市議会委員会条例の規約により、要点記録(概要)のみが公開対象となっている。

 本紙が入手した会議録では、7月8日の2回目で実質審議入りした。住民登録のない外国人が市政に参加するのはおかしいとして、「市民」の定義への疑義や「理念条例」のほか、自治条例がなくても地方自治法で自治体運営できることが俎上(そじょう)に上がった。

 9月17日の3回目の審議では一気に廃止への流れができた。委員長が「条例に問題があるかどうか議論していく」と発言すると、各委員はせきを切ったように意見を並べた。「住民投票を規定されたら地方自治が大変な状況になるんじゃないか」「最高規範の重みがない。早い段階で効力停止するべきだ」ともあった。

 10月1日の4回目では「もう賛成の議論は終わっている」「(自治基本条例は)全国で3割しか制定していない」などの意見が出され、廃止の結論がほぼ固まった。

 先月26日の最終第5回目は各委員が考えを表明する形で進行。条例が前市政時代に賛成多数で可決されたことから、「誕生の時から非常に大きな矛盾を抱えて争いの中で生まれた条例」との指摘や、自衛隊配備に関連し「国の責任においてやるものなので、反対の方向にいくと国家の崩壊につながりかねない」との発言もあった。

 会議録からは各委員が疑問点を挙げる一方で、その具体的な影響や廃止理由の検証がないままに物事が決まる実態が浮かび上がる。

 地方自治に詳しい沖縄国際大学の照屋寛之教授は「自治条例は自治体の指針。住民参画をうたい、せっかくつくったものを与党の都合でなくしてしまおうというのは問題だ。時代に逆行し、自治の後退につながる」と話した。

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