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「水量低下、放水不可」「ホース損傷、使用不能」 首里城火災、必死の消火を克明に

2019年12月4日 09:09

 輻射熱(ふくしゃねつ)で部隊分断、ホース焼損、一部施設を破壊し放水-。那覇市消防局が作成した10月31日の首里城火災の消防活動報告書では、身をていして消火に当たった消防隊員らの当時の様子が克明に記録されている。出動した消防局30部隊(救急隊除く)の記録から一部を紹介する。

燃え上がる首里城の南殿・番所に放水する消防隊員=10月31日午前5時29分

首里城火災の延焼の流れ

燃え上がる首里城の南殿・番所に放水する消防隊員=10月31日午前5時29分 首里城火災の延焼の流れ

 〈水量低下相次ぎ火勢増〉

 御庭の放水銃2基を起動した西高度救助第一小隊によると、起動から十数分後に「急に放水量が低下し正殿への有効注水は不可」となった。その後正殿の火勢は増し「予想を上回る状態で延焼拡大」した。屋内消火栓を延長したが「水圧低下により同設備の活用を諦めた」としている。

 〈爆発音と響く異音〉

 正殿を正面に放水した西高度救助第一小隊によると、強烈な輻射熱で消火活動は困難を極めた。「正殿および南殿付近から火災旋風の兆候が度々発生し(略)普段の活動では聞くことのない異音が鳴り響き、御庭での活動は危険と判断」。退避命令が出た。

 〈輻射熱で他部隊と分断〉

 正殿から南殿への延焼を防ぐため黄金御殿側から放水した中央第二小隊は、指揮本部から集合命令が出されたが、輻射熱と煙で御庭を横断できず「他部隊と分断された」。

 〈ホース焼損で使用不能〉

 首里第一小隊は、ホース8本で正殿消火と北殿への延焼防止にあたったが「輻射熱で活動困難」に。退避後、放水再開するが「自隊のホースは焼損し使用不能」となった。

 〈チェーンソーで壁面破壊〉

 西高度救助第二小隊は、北殿から奉神門への延焼防止に当たったが、北殿西側の壁面が妨げとなった。「チェーンソーにより破壊活動を実施」し、燃焼箇所に直接届く放水の有効化を図った。同じく奉神門への延焼防止に当たった中央第六小隊によると、延焼は屋根の瓦の裏側で進行し「有効注水が困難な状況」。そのため奉神門に近い屋根を一部破壊し放水した。

 〈雑木に飛び火〉

 正殿から300~400メートル離れた首里金城町の空き地では飛び火で高さ3メートルの雑木が燃えた。神原第三小隊は「上空には大量の火の粉が舞っている状況」の中、消火に当たった。

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