政府関係者によると4日、アフガニスタンで銃撃された福岡市の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」現地代表、中村哲医師が死亡した。

沖縄平和賞の授賞式であいさつする中村医師

沖縄平和賞の授賞式であいさつする中村医師

オキナワ・ピース・クリニック工事現場

沖縄平和賞の授賞式であいさつする中村医師 沖縄平和賞の授賞式であいさつする中村医師 オキナワ・ピース・クリニック工事現場

 沖縄県は2002年8月、アフガニスタンを中心に医療活動を続けていた中村医師が現地代表を務める「中村哲を支援するペシャワール会」に第一回沖縄平和賞を贈っている。

 中村医師は、授賞式で「私たちの活動を『非暴力による平和の実現』として沖縄県民の皆さんが認めてくれたことを、特別に意味のあることと受け止めます」と謝意を示していた。

 さらに、「遠いアフガニスタンでの活動と、アフガンに出撃する米軍基地を抱える沖縄。このコントラストは、現場にいる私たちには圧倒的であります」「平和を唱えることさえ暴力的制裁を受ける厳しい現地の状況の中で、物言えない人たちの奪われた平和の声を『最大の米軍基地の島・オキナワ』が代弁するのは、日本人として名誉でもあります」とも語った。

 中村医師は、2003年7月には平和賞の賞金一千万円のうち約300万円を活用し、アフガン東部山岳地帯・ダラエピーチ渓谷のシンザイ村に診療所「オキナワ・ピース・クリニック」を建設。

 当時、「今までは民家を借りていたが、診療所が完成し、村の人にここで診療を続ける意思表示ができた。沖縄の人々には大変感謝している」と喜びを語り、「戦乱の地にあえて平和の礎(いしずえ)を築く」と、決意と希望を語っていた。


プロフィル 
 中村 哲氏(なかむら・てつ) 1946年福岡市生まれ。九州大医学部卒。専門は神経内科(現地では内科・外科もこなす)。
 国内の診療所勤務を経て、84年、パキスタン北西辺境州の州都ペシャワールに赴任。86年からアフガン難民のために無医地区山岳部に診療所を設立。移動診療などにも取り組む。