「童(わらび)どぅ宝~社会で支える親子の成長」をテーマに、日本乳幼児精神保健学会FOUR WINDS(渡辺久子会長)による第22回全国学術集会沖縄大会が11月23、24の両日、那覇市の琉球新報ホールで開かれた。国内外から子どもの育ちに関わる専門家や教育・医療・福祉関係者らが参加し、乳幼児の成長や、多様な生きづらさを抱える親子への心理的支援などについて意見を交わした。

子どもたちへの社会の支援について語り合う(左から)うるま市子ども健康課の外間泉美さん、宜保幸恵さん、ノアーズ・ガーデンの上地信乃さん=11月24日、那覇市泉崎の琉球新報ホール

 24日にあった社会の支援を必要とする子どもたちへの実践報告では、2018年4月に開所した県内唯一の児童心理治療施設「ノアーズ・ガーデン」(糸満市)の心理リーダー、上地信乃さんが登壇した。

 入所児20人の95%が過去に虐待を受けた。多くが注意欠陥多動性障害(ADHD)や自閉症スペクトラム障害(ASD)、愛着障害などを抱え、服薬治療が必要な子、不登校経験が長かった子もいるという。併設する小中学校の分校や地域の医療機関と連携して治療に当たっている。

 「試行錯誤」を重ねる中、開所1年8カ月で入所児5人が退所し通所支援に移行するなどした。上地さんは「おいしいご飯を食べて安心し眠れる環境づくりが大事。治療の第一歩は、生活を整え安心安全の器を作ることだ」と強調。

 生活全般を支援する支援員と共に、心理担当も生活支援に関わり連携するなど、効果的な策を探る。「入所児童は治療終了後、いずれ地域に戻る。温かいまなざしをお願いしたい」と語った。

 うるま市こども健康課の保健師の宜保幸恵さんと外間泉美さんは、19歳以下の妊産婦の割合(17年)が全国1・0%に比べて3倍以上高い3・5%に上る同市の若年妊産婦支援の現状を報告。10代妊産婦を支える家族基盤や社会資源が脆弱(ぜいじゃく)で、課題が複雑多岐にわたる事例も多いという。当事者との信頼関係づくりや支援の行き詰まる場面などでの難しさを挙げた。

 一方で今年3月、市内外の専門家や支援者との事例検討会を開いたことで「10代女性の視点で、10代妊産婦に寄り添う視点」に気づいた。

 宜保さんらは「本人を変えようとするのではなく、母の言動の裏にある心を理解しながら寄り添うことが大事だと分かった」と実感したという。

 宜保さんらは「思春期という怒濤(どとう)の時代に成功や挫折、立ち直りなどを経て人間力が育つが、彼女たちは10代の成長発達段階に妊娠したことで急に大人になることを求められている。まず同じ目線で寄り添い、大人への育ちを最大限支援したい」と強調。学業の継続支援や安心安全な居場所づくりの必要性も訴えた。