日本一の車エビ、米どころだった島の米みそ、名水育ちのモヤシ…。沖縄県久米島町西銘の飲食店「ゆくい処 笑島」の「車海老そば」は島の幸がいっぱいだ。優れた国産品を選ぶ「にっぽんの宝物」(主催・アクティブラーニング)で8月の全国大会調理部門優勝。アジアの有名ホテル支配人やバイヤーが集まる世界大会(11月、シンガポール)では総合優勝を飾った逸品だ。

車海老そば

シンガポールで開かれた世界大会で総合優勝を飾った飲食店「ゆくい処 笑島」店主の島袋航弥さん(右)、愛佳さん夫妻=2日、久米島町西銘

車海老そば シンガポールで開かれた世界大会で総合優勝を飾った飲食店「ゆくい処 笑島」店主の島袋航弥さん(右)、愛佳さん夫妻=2日、久米島町西銘

 スープを口に含むと、深いこくとうまみが広がる。車エビは上に載るだけでなく、だしになり、町比嘉の平良朝幸さん(70)が造る低塩分で無添加の米みそ「久米島たいらの味噌」と引き立て合う。島唯一のモヤシ農家・惣慶長吉さん(70)が育てる「惣慶もやし」のシャキシャキ感も食が進む。

 店主の島袋航弥さん(28)は世界大会で、国内外で違うエビの評価基準に向き合った。国内で高級品扱いされる車エビと違い、アジア全体ではエビは低価格の庶民の味。京都の老舗料亭で5年間修業を積み、「笑島」開店後の3年間で季節によっても異なる車エビの味の引き出し方を学んだ腕で審査員をうならせた。

 国内外から次々、出店や商品開発の依頼が来る。全てを断った島袋さんは「島の味が認められ始めたばかり。地道にやりたい。島の人が思っているよりも、いい食材が豊かな島だと伝えたい」と、子育てのためにUターンした故郷で頑張る。(社会部・堀川幸太郎)

 「笑島」の車海老そばは、6~8日に開かれる「久米島町 観光・物産と芸能フェア」でも1杯700円で提供する。