「ホームレスを雇用し自立へ」と題した講演会(主催・中部地区障害者就業・生活支援センターにじ)がこのほど、沖縄県うるま市内であり、大阪市のビル清掃・公園管理業「美交(びこう)工業」の福田久美子専務が約50人に講演した。

「2014年度ダイバーシティ経営企業100選」に選ばれた美交工業の福田久美子専務=うるま市のうるマルシェ2階会議室

 同社は、ホームレス雇用を通じて大阪府営久宝寺緑地の公園生活者を最大142世帯からゼロにした経験があり、社員167人のうち24人は障がい者。福田さんは「雇用を機に会社の新事業が開けた。社会のために始めたことが会社のためになった」と振り返った。

 美交工業は約15年前、外部の支援機関の勧めで知的障がい者を雇った。福田さんは「雇用はリスクだという不安があった」と打ち明け、支援機関と共に受け入れ態勢をゼロから整えたと話した。

 結果、会話が苦手な自閉症傾向の従業員には人が行き交うエレベーターホールではなく階段専門で清掃を任せるなど、「フロア別ではなく一人一人ごとの作業分担」を意識するようになったという。

 その後は、支援機関とのつながりを生かして公園生活者の雇用を開始。使いやすく明るい公園にするため、公園清掃業者として取り組む理由があると考えたという。

 日当はその日のうちに使い果たしてしまうケースがあるため「1日いくらで生活できるか」を決め、残額はアパート資金として貯蓄。公園所有者である行政からの評価も高く、いろいろな都市公園の指定管理者を任されるようになった。

 福田さんは、社内のコミュニケーションが活性化したことや支援機関とつながる中で協力者が増えていったことに触れ、「人と人のつながりが経営に生かされている」と実感を込めた。