子どもたちに人気の児童書「はれときどきぶた」を読んだのは、30年以上も前のこと。主人公の少年が書く荒唐無稽な「あしたの日記」が現実になり、空から豚が降ってくるストーリーと絵は、今も強く印象に残っている

▼創造力を高める児童書とは全く異なるが、沖縄ではあり得ないものが実際に降ってくる。ここ数年は12月になると、とんでもないものが降る。2016年は名護市安部の海岸にオスプレイ墜落、17年は宜野湾市の保育園や小学校に米軍ヘリの部品や窓が落下、そして今年は金武町伊芸区の民間地に照明弾が降ってきた

▼米軍キャンプ・ハンセンに隣接する伊芸区では1956年以降、米軍演習の事件・事故が40件以上も発生している

▼復帰前は、砲弾の破片が民家の屋根を貫通、照明弾10発余りが降ってきて約150人が公民館に避難、銃弾が3歳女児の大腿(だいたい)部に命中など。復帰後も流弾や照明弾落下などが後を絶たない

▼照明弾が田んぼなどに落下した5日、住宅地と目と鼻の先の現場では、騒ぎを知った小学生たちが「薬きょう持っているよ」と笑って話していた。危険と隣り合わせの日常では、あり得ないことに慣れてしまう

▼本の中では、豚が降ってきて驚いた少年が、消しゴムで日記を消した途端、空の豚が消えた。沖縄の空から降る危険も消し去りたい。(吉川毅)