地球温暖化対策の「パリ協定」を着実に実施するためのルールなどを話し合う国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)が大詰めを迎えている。

 190を超える国・地域が参加するパリ協定の本格始動を来年に控え、各国が具体的な行動を表明する場だが、世界第5位の二酸化炭素の排出国である日本へ向けられる目は厳しい。

 国連のグテレス事務総長は、各国に削減目標引き上げと2050年の排出量実質ゼロを求めている。

 日本政府は6月に閣議決定した温暖化対策の長期戦略で「50年までに温室効果ガスの80%削減に取り組む」としたが、欧州連合などに大きく見劣りする内容だ。一方で、石炭火力発電所は22基の建設・計画が進み、さらに同発電所建設への海外援助も継続する。

 開幕に先立ち、国連環境計画(UNEP)が公表した報告書は、日本に対し二酸化炭素排出が多い石炭火力発電所の新設をやめ、既存のものは段階的に廃止するよう促す内容だった。

 世界の環境団体でつくる「気候行動ネットワーク」はCOP25会場で、地球温暖化対策に後ろ向きな国に贈る「化石賞」に日本を選んだ。

 開幕後、会場近くでは、世界のNGOのメンバーらによる石炭火力発電の廃止を求める抗議デモが続いた。約70人が「ストップ石炭」と日本語で書かれた横断幕を示し「さよならコール(石炭)」と声を張り上げたのだ。  

 日本はこの石炭批判にどう応えるのか。

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 18年の世界の温室効果ガス排出量は、553億トンで過去最高と推定される。排出が今のペースで続けば、今世紀末の気温は産業革命前と比べ最大3・4~3・9度上がり、壊滅的な影響が出る恐れがある。パリ協定は「できれば1・5度」の上昇に抑えることが努力目標だが、協定に基づく各国の削減目標を達成しても3・2度の上昇になる。温室効果ガス排出は増加傾向にあり、現実と削減必要量との落差は広がる一方だ。

 小泉進次郎環境相は閣僚会合の演説で「世界的な批判は認識している。今以上の行動が必要だ」と述べたが、「脱炭素」に踏み出す表明はなかった。温室効果ガス削減目標の引き上げや、発展途上国への資金支援増額にも言及はなく、世界の期待からはほど遠い内容になった。

 トランプ米大統領がパリ協定離脱を通告する中、日本や残された国々の責任は重い。

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 地球温暖化による異常気象が増している。台風の強大化、災害の激甚化が進む。県内では20世紀末にほとんどなかった35度を超える猛暑日が増加し、農作物、サンゴへのダメージなどさまざまな面に影響が出始めている。

 世界の若者による活動の先駆けとなったスウェーデンの少女グレタ・トゥンベリさん(16)は「各国の指導者は未来と今の世代を守る責任がある」と訴えた。

 国としての姿勢が問われている。世界の国々や若い世代と危機感を共有し、脱炭素化社会へ舵(かじ)を切る時だ。